岐阜新聞映画部映画館で見つけた作品高野豆腐店の春 B! 父と娘の情愛を描いた素直に感動できる秀作 2023年10月27日 高野豆腐店の春 🄫2023「高野豆腐店の春」製作委員会 【出演】藤竜也、麻生久美子、中村久美 【監督・脚本】三原光尋 藤竜也のいぶし銀の味わい深い演技 三原光尋監督の「高野豆腐店の春」は、尾道を舞台に抑制の効いたタッチで豆腐屋を営む父と娘の情愛を描き、素直に感動できる秀作。 父の高野辰雄と娘の高野春が二人三脚でこだわりの豆腐を製造販売する高野豆腐店。心臓病を患う辰雄は出戻りの一人娘・春の将来を心配して、仲の良い仲間たちに春の再婚相手探しの協力を呼びかけ、お見合い作戦を企てる。 頑固で気難しい職人気質の父親を演じる藤竜也の演技が味わい深く、しかもカッコいい。バツイチの娘役の麻生久美子とのやり取りが、心の機微を繊細かつユーモラスに描いていて引き込まれる。 辰雄が偶然の出会いで親しくなった、スーパーの清掃員をしている中野ふみえ(中村久美)との熟年の淡い恋も素敵で、戦争による消えることのない深い心の傷にも触れている。 小津安二郎監督の名作「東京物語」や大林宣彦監督作品の舞台となった尾道は風情のある町。こだわりの豆腐作りの過程を丁寧に描いたオープニングのシーンも興味深い。 「高野豆腐店の春」は、「村の写真集」、「しあわせのかおり」に次ぐ、三原光尋監督と藤竜也の3本目のコンビ作。「村の写真集」では写真家を、「しあわせのかおり」では料理人を、そして今回の「高野豆腐店の春」では豆腐職人を演じている。3作品とも藤竜也が職人を演じる三原光尋監督の職人三部作。 徳井優、山田雅人、菅原大吉、日向丈、竹内都子、桂やまとらが、見事なアンサンブル演技で脇を固めている。 脚本も三原光尋監督のオリジナル。 語り手:井上 章映画鑑賞歴44年。出来る限り映画館で観ることをモットーとし、日本映画も外国映画も、新作も旧作も、ジャンルを問わず観てきたおかげか、2006年に、最初の映画検定1級の試験に最高点で合格しました。 100% 観たい! (5)検討する (0) 語り手:井上 章映画鑑賞歴44年。出来る限り映画館で観ることをモットーとし、日本映画も外国映画も、新作も旧作も、ジャンルを問わず観てきたおかげか、2006年に、最初の映画検定1級の試験に最高点で合格しました。 2024年09月26日 / どら平太 日本映画黄金時代を彷彿とさせる盛りだくさんの時代劇 2024年09月26日 / 潜水艦コマンダンテ 誇り高き決断 助けを求める人はもはや敵ではなく、ただの人間だ 2024年09月26日 / 潜水艦コマンダンテ 誇り高き決断 海の男たちが下す決断を描くヒューマンドラマ more 2021年03月17日 / 盛岡ピカデリー/ルミエール(岩手県) 東北の城下町にある市民が愛した小さな映画館 2020年06月10日 / ジストシネマ田辺(和歌山県) 紀伊半島の港町にある地元密着型の映画館 2020年06月17日 / 川越スカラ座(埼玉県) 歴史ある城下町の路地裏にひっそりと佇む映画館 more
藤竜也のいぶし銀の味わい深い演技
三原光尋監督の「高野豆腐店の春」は、尾道を舞台に抑制の効いたタッチで豆腐屋を営む父と娘の情愛を描き、素直に感動できる秀作。
父の高野辰雄と娘の高野春が二人三脚でこだわりの豆腐を製造販売する高野豆腐店。心臓病を患う辰雄は出戻りの一人娘・春の将来を心配して、仲の良い仲間たちに春の再婚相手探しの協力を呼びかけ、お見合い作戦を企てる。
頑固で気難しい職人気質の父親を演じる藤竜也の演技が味わい深く、しかもカッコいい。バツイチの娘役の麻生久美子とのやり取りが、心の機微を繊細かつユーモラスに描いていて引き込まれる。
辰雄が偶然の出会いで親しくなった、スーパーの清掃員をしている中野ふみえ(中村久美)との熟年の淡い恋も素敵で、戦争による消えることのない深い心の傷にも触れている。
小津安二郎監督の名作「東京物語」や大林宣彦監督作品の舞台となった尾道は風情のある町。こだわりの豆腐作りの過程を丁寧に描いたオープニングのシーンも興味深い。
「高野豆腐店の春」は、「村の写真集」、「しあわせのかおり」に次ぐ、三原光尋監督と藤竜也の3本目のコンビ作。「村の写真集」では写真家を、「しあわせのかおり」では料理人を、そして今回の「高野豆腐店の春」では豆腐職人を演じている。3作品とも藤竜也が職人を演じる三原光尋監督の職人三部作。
徳井優、山田雅人、菅原大吉、日向丈、竹内都子、桂やまとらが、見事なアンサンブル演技で脇を固めている。
脚本も三原光尋監督のオリジナル。
語り手:井上 章
映画鑑賞歴44年。出来る限り映画館で観ることをモットーとし、日本映画も外国映画も、新作も旧作も、ジャンルを問わず観てきたおかげか、2006年に、最初の映画検定1級の試験に最高点で合格しました。
語り手:井上 章
映画鑑賞歴44年。出来る限り映画館で観ることをモットーとし、日本映画も外国映画も、新作も旧作も、ジャンルを問わず観てきたおかげか、2006年に、最初の映画検定1級の試験に最高点で合格しました。