岐阜新聞映画部映画館で見つけた作品パラレル・マザーズ B! 子どもの取り違えを知った母親の葛藤を描く 2022年12月06日 パラレル・マザーズ © Remotamente Films AIE & El Deseo DASLU 【出演】ペネロペ・クルス、ミレナ・スミット、イスラエル・エレハルデ、アイタナ・サンチェス=ギヨン、ロッシ・デ・パルマ、フリエタ・セラーノ 【監督・脚本】ペドロ・アルモドバル 見事なペネロペ・クルスの内面演技 ヴェネツィア国際映画祭でペネロペ・クルスが最優秀女優賞を受賞した、ペドロ・アルモドバル監督の「パラレル・マザーズ」は、歳の離れたふたりのシングルマザーの子どもの取り違えを描いた作品。 子どもの取り違えを描いた映画には、是枝裕和監督の「そして父になる」や「もうひとりの息子」等の秀作があるが、「パラレル・マザーズ」はテンポの良いスリリングな展開が魅力。 病院で同じ日に出産したフォトグラファーのジャニス(ペネロペ・クルス)と17歳のアナ(ミレナ・スミット)は共にシングルマザー。やがてDNA鑑定で自分の育てている娘が実の子でないと知るジャニスの葛藤が最大の見どころ。ペネロペ・クルスの内面演技と、意外なストーリー展開が素晴らしい。 「パラレル・マザーズ」には、スペイン内戦で処刑された先祖の遺骨発掘のエピソードも描かれている。アルモドバル監督の思い入れはわからないではないが、DNA鑑定という共通点はあっても、ストーリーとしてうまく噛み合っていない為、作品そのもののまとまりを損ねているのが残念。 語り手:井上 章映画鑑賞歴44年。出来る限り映画館で観ることをモットーとし、日本映画も外国映画も、新作も旧作も、ジャンルを問わず観てきたおかげか、2006年に、最初の映画検定1級の試験に最高点で合格しました。 100% 観たい! (4)検討する (0) 語り手:井上 章映画鑑賞歴44年。出来る限り映画館で観ることをモットーとし、日本映画も外国映画も、新作も旧作も、ジャンルを問わず観てきたおかげか、2006年に、最初の映画検定1級の試験に最高点で合格しました。 2024年05月01日 / コットンテール 愛妻の遺言をかなえる旅を描いた英日合作 2024年05月01日 / コットンテール 最愛の人の遺言を叶えるための旅の物語 2024年05月01日 / コットンテール 湖水地方の風景が美しい、父と子との再生の映画 more 2018年04月11日 / 日田シネマテーク・リベルテ(大分県) 山間にある水郷の街で、映画に向き合う至福の時間 2019年11月13日 / 静岡東宝会館(静岡県) 映画を観るなら七ぶらで…生粋の映画ファンが集う映画館 2021年08月11日 / 【思い出の映画館】上野セントラル(東京都) 下町のターミナル駅にあった人情味溢れる松竹封切館 more
見事なペネロペ・クルスの内面演技
ヴェネツィア国際映画祭でペネロペ・クルスが最優秀女優賞を受賞した、ペドロ・アルモドバル監督の「パラレル・マザーズ」は、歳の離れたふたりのシングルマザーの子どもの取り違えを描いた作品。
子どもの取り違えを描いた映画には、是枝裕和監督の「そして父になる」や「もうひとりの息子」等の秀作があるが、「パラレル・マザーズ」はテンポの良いスリリングな展開が魅力。
病院で同じ日に出産したフォトグラファーのジャニス(ペネロペ・クルス)と17歳のアナ(ミレナ・スミット)は共にシングルマザー。やがてDNA鑑定で自分の育てている娘が実の子でないと知るジャニスの葛藤が最大の見どころ。ペネロペ・クルスの内面演技と、意外なストーリー展開が素晴らしい。
「パラレル・マザーズ」には、スペイン内戦で処刑された先祖の遺骨発掘のエピソードも描かれている。アルモドバル監督の思い入れはわからないではないが、DNA鑑定という共通点はあっても、ストーリーとしてうまく噛み合っていない為、作品そのもののまとまりを損ねているのが残念。
語り手:井上 章
映画鑑賞歴44年。出来る限り映画館で観ることをモットーとし、日本映画も外国映画も、新作も旧作も、ジャンルを問わず観てきたおかげか、2006年に、最初の映画検定1級の試験に最高点で合格しました。
語り手:井上 章
映画鑑賞歴44年。出来る限り映画館で観ることをモットーとし、日本映画も外国映画も、新作も旧作も、ジャンルを問わず観てきたおかげか、2006年に、最初の映画検定1級の試験に最高点で合格しました。