岐阜新聞映画部映画館で見つけた作品パリ13区 B! パリの街の下恋の炎で揺らぐ若者たちの人間模様 2022年06月14日 パリ13区 ©PAGE 114 - France 2 Cinéma 【出演】ルーシー・チャン、マキタ・サンバ、ノエミ・メルラン、ジェニー・ベス 【監督】ジャック・オディアール はじまりは気軽でもその先の気持ちには温度差がある フランスの首都パリには、20の行政区がある。13区は市の南部、セーヌ川の南岸に位置している。パリ最大のチャイナタウンがあり、中国人をはじめ、アジア系の住民が数多く暮らす地域としても有名。1970年代後半頃から再開発が進み、高層の住宅が建ち並ぶようになったが、中華街は変わることなく、アジア系のスーパーも数多く存在している。 エミリー(ルーシー・チャン)は台湾系の3世で、コールセンターのオペレーターとして働いている。祖母の持ち物である高級アパートメントに住んでいるが、ルームシェアできる同居人を募っていた。 その日、希望者のアフリカ系のカミーユ(マキタ・サンバ)がやって来るが、想定外の男性だった。 カミーユは高校の教師をしていて収入は安定している。エミリーはルームシェアをするためのいくつかのルールを設定して、同居生活を始めることになり、ふたりはセックスする仲になるのだが…。 ノラ(ノエミ・メルラン)は、希望する法律家になるため、32歳でソルボンヌ大学に復学した。しかし、年齢差は障害となり、同級生たちとの間には、今ひとつ馴染めない疎外感が存在していた。 ある夜、パーティーに招かれたノラは、イメージチェンジを狙った濃いめのメイクに金髪のウィックをかぶり参加したが、そこで自分に向けられている好奇の視線を強く感じることになる。その原因は、ネットのポルノサイトで "カムガール(ウェブカメラを使ったセックスワーカー)" をしているポルノ女優のアンバー・スウィート(ジェニー・ベス)と勘違いされたのだった。 『パリ13区』は、この4人の登場人物が織りなす、不思議な縁で繋がった人間模様を描く映画である。 脚本は『燃ゆる女の肖像』の監督セリーヌ・シアマと、アルノー・デプレシャン監督作品などで脚本家として注目されているレミ・ミシウスのふたりの女流。エイドリアン・トミネの3つの短編小説を原作に、時にドキッとするほどの大胆さと、微妙に揺らぐ繊細さを併せ持つ女性ならではの視点で物語を生みだしている。そして、共同脚本のジャック・オーディアール監督がそれを巧みにコントロールし、美しいモノクロ映像と円熟の好編に仕上げている。 語り手:覗き見猫映画にはまって40数年。近頃、めっきり視力が衰えてきましたが、字幕を追う集中力はまだまだ大丈夫です。好きなジャンルは? 人間ドラマ…面白くない半端な回答…甘い青春映画も大好きです。 100% 観たい! (9)検討する (0) 語り手:覗き見猫映画にはまって40数年。近頃、めっきり視力が衰えてきましたが、字幕を追う集中力はまだまだ大丈夫です。好きなジャンルは? 人間ドラマ…面白くない半端な回答…甘い青春映画も大好きです。 2024年05月01日 / コットンテール 愛妻の遺言をかなえる旅を描いた英日合作 2024年05月01日 / コットンテール 最愛の人の遺言を叶えるための旅の物語 2024年05月01日 / コットンテール 湖水地方の風景が美しい、父と子との再生の映画 more 2022年07月13日 / 吉祥寺オデヲン(東京都) いつも住みたい街に選ばれる吉祥寺駅前にある街のシンボル 2018年12月12日 / シネマテークたかさき(群馬県) 観たい映画をかける映画館を地元に…一人の男が立ち上がった。 2024年01月24日 / 【思い出の映画館】吉祥寺バウスシアター(東京都) 面白い事なら何でもやっちゃうエンタメ三昧の映画館 more
はじまりは気軽でもその先の気持ちには温度差がある
フランスの首都パリには、20の行政区がある。13区は市の南部、セーヌ川の南岸に位置している。パリ最大のチャイナタウンがあり、中国人をはじめ、アジア系の住民が数多く暮らす地域としても有名。1970年代後半頃から再開発が進み、高層の住宅が建ち並ぶようになったが、中華街は変わることなく、アジア系のスーパーも数多く存在している。
エミリー(ルーシー・チャン)は台湾系の3世で、コールセンターのオペレーターとして働いている。祖母の持ち物である高級アパートメントに住んでいるが、ルームシェアできる同居人を募っていた。
その日、希望者のアフリカ系のカミーユ(マキタ・サンバ)がやって来るが、想定外の男性だった。
カミーユは高校の教師をしていて収入は安定している。エミリーはルームシェアをするためのいくつかのルールを設定して、同居生活を始めることになり、ふたりはセックスする仲になるのだが…。
ノラ(ノエミ・メルラン)は、希望する法律家になるため、32歳でソルボンヌ大学に復学した。しかし、年齢差は障害となり、同級生たちとの間には、今ひとつ馴染めない疎外感が存在していた。
ある夜、パーティーに招かれたノラは、イメージチェンジを狙った濃いめのメイクに金髪のウィックをかぶり参加したが、そこで自分に向けられている好奇の視線を強く感じることになる。その原因は、ネットのポルノサイトで "カムガール(ウェブカメラを使ったセックスワーカー)" をしているポルノ女優のアンバー・スウィート(ジェニー・ベス)と勘違いされたのだった。
『パリ13区』は、この4人の登場人物が織りなす、不思議な縁で繋がった人間模様を描く映画である。
脚本は『燃ゆる女の肖像』の監督セリーヌ・シアマと、アルノー・デプレシャン監督作品などで脚本家として注目されているレミ・ミシウスのふたりの女流。エイドリアン・トミネの3つの短編小説を原作に、時にドキッとするほどの大胆さと、微妙に揺らぐ繊細さを併せ持つ女性ならではの視点で物語を生みだしている。そして、共同脚本のジャック・オーディアール監督がそれを巧みにコントロールし、美しいモノクロ映像と円熟の好編に仕上げている。
語り手:覗き見猫
映画にはまって40数年。近頃、めっきり視力が衰えてきましたが、字幕を追う集中力はまだまだ大丈夫です。好きなジャンルは? 人間ドラマ…面白くない半端な回答…甘い青春映画も大好きです。
語り手:覗き見猫
映画にはまって40数年。近頃、めっきり視力が衰えてきましたが、字幕を追う集中力はまだまだ大丈夫です。好きなジャンルは? 人間ドラマ…面白くない半端な回答…甘い青春映画も大好きです。