岐阜新聞 映画部

いま、どこかで出会える作品たち

Meet somewhere

色褪せない伝説の逃亡ロードムービーを4Kで

2024年04月22日

テルマ&ルイーズ 4K

Thelma & Louise © 1991 Metro-Goldwyn-Mayer Studios Inc. All Rights Reserved.

【出演】スーザン・サランドン、ジーナ・デイヴィス、ハーヴェイ・カイテル、マイケル・マドセン、ブラッド・ピット
【監督・製作】リドリー・スコット

どこか懐かしいアメリカンニューシネマと女性映画の共存

リドリー・スコット監督は、"戦い=決闘" を描き続けている。

リドリー・スコット監督作品の初体験は、1979年の夏に公開された『エイリアン』だった。

漂流する宇宙船で繰り広げられる、船員と未確認地球外生物との "闘い" を描いた、SFサスペンスアクション映画。

シュルレアリスムのアーティスト、H.R.ギーガーのデザインによる "エイリアン" の粘質性溢れる不気味な造形が圧巻で、生残る船員リプリー(シガニー・ウィーバー)との死闘は凄まじく、それまでのSF映画の枠を超える作品だった。

続いて、『プレードランナー』(1982年)もSF映画。フィリップ.K.ディックの「アンドロイドは電気羊の夢を見るか?」を原作に、創作者である人間の規制から逃亡するレプリカントと呼ばれる人型ロボット=アンドロイドと、それを追う専任捜査官との追跡劇、死闘を描いている。

と、その前に、リドリー・スコット初監督作品には『デュエリスト』がある。

『デュエリスト 決闘者』は1977年に製作されたイギリス映画で、ジョゼフ.コンラッドの短編小説「決闘」が原作。舞台は1800年のフランス。決闘好きの軍中尉フェローと、同じく士官で巻き込まれてしまうデューベルの "因縁の決闘" の物語。

日本では、2つのSF映画に挟まれた、82年の春に公開された。

『テルマ&ルイーズ』の公開は1991年10月で、リドリー・スコット監督の7作目になる。

ウェイトレスとして働く独身のルイーズは、親友で専業主婦のテルマと週末の休日を利用したドライブ旅行をすることになる。

その途中、テルマは立ち寄ったバーで泥酔し、店の客にレイプされかける。間一髪、助けにはいったルイーズは、テルマが護身用に持っていた銃で男を射殺してしまう。

ふたりの逃避行を描いた映画は、追手の警察と逃げるふたりの女性の "闘い" を描いてはいるが、敵は別の何かなのかもしれない。

かつてのアメリカン・ニューシネマ、その後の女性映画の系譜を感じる作品である。

語り手:覗き見猫

映画にはまって40数年。近頃、めっきり視力が衰えてきましたが、字幕を追う集中力はまだまだ大丈夫です。好きなジャンルは? 人間ドラマ…面白くない半端な回答…甘い青春映画も大好きです。

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語り手:覗き見猫

映画にはまって40数年。近頃、めっきり視力が衰えてきましたが、字幕を追う集中力はまだまだ大丈夫です。好きなジャンルは? 人間ドラマ…面白くない半端な回答…甘い青春映画も大好きです。

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