岐阜新聞 映画部

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手に汗握るヒューマン・サスペンスの秀作

2024年04月12日

コヴェナント/約束の救出

© 2022 STX FINANCING, LLC. ALL RIGHTS RESERVED

【出演】ジェイク・ギレンホール、ダール・サリム、アントニー・スター、アレクサンダー・ルドウィグ、ボビー・スコフィールド、エミリー・ビーチャム、ジョニー・リー・ミラー
【監督・脚本・製作】ガイ・リッチー

臨場感溢れる命懸けの救出劇

イギリス出身のガイ・リッチーは、デビュー作の「ロック、ストック&トゥー・スモーキング・バレルズ」を筆頭に、「スナッチ」、「コードネームU.N.C.L.E.」、「ジェントルメン」、「オペレーション・フォーチュン」等のコメディ・タッチのクライム・アクション映画やスパイ・アクション映画が得意な映画監督。

「コヴェナント / 約束の救出」は、そんなガイ・リッチー監督がユーモアを封印したシリアスな戦争映画。

舞台は2018年のアフガニスタン。タリバンの武器の隠し場所を探す部隊を率いるジョン・キンリ―米軍曹長(ジェイク・ギレンホール)が爆発物製造工場を突き止める。だが、大量のタリバン兵の襲撃を受け部隊は壊滅、瀕死の重傷を負ったキンリ―曹長はアフガニスタン人通訳アーメッド(ダール・サリム)に命を救われる。

帰国し回復したキンリ―は、タリバンから命を狙われるアーメッド救出のためアフガニスタンへ戻る。キンリ―とアーメッドは友情で結ばれているわけではなく、命の恩人に対して命懸けで恩を返す行為として描かれている。

ロバート・デ・ニーロが親友のクリストファー・ウォーケンを救うために命をかけた「ディア・ハンター」などが思い出されるが、「コヴェナント/約束の救出」が感動的なのは、家族や親友でもない他国の人間を救うために命をかけた男と、その恩に報いるため命懸けで救出に向かった男の、無償の尊い行為ゆえである。

ジェイク・ギレンホールとダール・サリムの好演と抑制の効いたガイ・リッチー監督の演出が素晴らしい。

ハラハラドキドキの展開と臨場感溢れる戦闘シーンで、手に汗握るヒューマン・サスペンスの秀作である。

語り手:井上 章

映画鑑賞歴44年。出来る限り映画館で観ることをモットーとし、日本映画も外国映画も、新作も旧作も、ジャンルを問わず観てきたおかげか、2006年に、最初の映画検定1級の試験に最高点で合格しました。

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語り手:井上 章

映画鑑賞歴44年。出来る限り映画館で観ることをモットーとし、日本映画も外国映画も、新作も旧作も、ジャンルを問わず観てきたおかげか、2006年に、最初の映画検定1級の試験に最高点で合格しました。

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