岐阜新聞 映画部

いま、どこかで出会える作品たち

Meet somewhere

ヒントが詰まった作家の日常を見つめたドキュメンタリー

2024年03月22日

カラフルな魔女~角野栄子の物語が生まれる暮らし~

ⒸKADOKAWA

【監督】宮川麻里奈

原点の人ルイジンニョ少年との再会は感動的

角野栄子は1935(昭和10)年1月1日、東京深川に生まれた。早稲田大学卒業後、紀伊國屋書店の出版部に勤務して1年ほどで、インテリアデザイナーをする夫と結婚した。

59(昭和34)年、24歳の頃、夫の希望で自費移民としてブラジルに2年間滞在。その時の体験を書いたノンフィクション「ルイジンニョ少年、ブラジルを訪ねて」を1970年に発表。作家デビューを果たしたのは35歳の時だった。

『カラフルな魔女 角野栄子の物語が生まれる暮らし』は、ノンフィクション作家、エッセイスト、そして絵本作家、童話作家として活躍する、角野栄子の日常に4年間に渡って密着。創作の現場を見つめたドキュメンタリーである。

代表作「魔女の宅急便」(1985)は、角野が大学生の時に見た写真週刊誌「Life」に掲載されていた "鳥の目で見たニューヨークの風景" という写真と、映画にも登場する、ひとり娘のリオ(作家・くぼしまりお)が、中学生の頃に描いた魔女のイラストに着想を得て執筆された。

89年にはスタジオジブリ、宮崎駿監督作品として映画化された。宮崎作品には欠かすことのできない "飛翔感" が "鳥の目" と合致したと想像できるが、映画化は原作から内容が大きく変わったため、はじめは否定的であったらしい。

その後、宮崎との数回にわたる対談で問題は解決された。

ジブリ版から25年後の2014年、実写版『魔女の宅急便』(清水崇・監督)が公開されたが、角野はこの作品でナレーションを担当した。

鎌倉のイチゴ(ピンク)色に囲まれた自宅。起床は8時頃。食べる事は大切と、言うが、温かいご飯におかかとバターをのせて、醤油を振りかけるだけで、チャチャっと済ませることも。

創作はPCに向かい、昼食をはさんで夕方まで続けられる。もうひとつは手描きの小さなノート。その手控帖はアイデアに溢れた角野作品。

自分へのご褒美に新調する眼鏡。こだわりのワンピースを着て、こだわらない平な底の靴を履き鎌倉の街を闊歩する。元気な88歳。

語り手:覗き見猫

映画にはまって40数年。近頃、めっきり視力が衰えてきましたが、字幕を追う集中力はまだまだ大丈夫です。好きなジャンルは? 人間ドラマ…面白くない半端な回答…甘い青春映画も大好きです。

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語り手:覗き見猫

映画にはまって40数年。近頃、めっきり視力が衰えてきましたが、字幕を追う集中力はまだまだ大丈夫です。好きなジャンルは? 人間ドラマ…面白くない半端な回答…甘い青春映画も大好きです。

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