岐阜新聞映画部映画館で見つけた作品弟は僕のヒーロ― B! 家族のことを秘密にしてしまった思春期少年の成長物語 2024年02月13日 弟は僕のヒーロ― @COPYRIGHT 2019 PACO CINEMATOGRAFICA S.R.L. NEO ART PRODUCCIONES S.L. 【出演】アレッサンドロ・ガスマン、イザベラ・ラゴネーゼ、ロッシ・デ・パルマ、フランチェスコ・ゲギ、ロレンツォ・シスト、ロベルト・ノッキ、アリアンナ・ベケローニ 【監督】ステファノ・チパーニ こんなに何でも話し合える家族って羨ましい⁈ イタリアのとある街に暮らす5歳のジャックは、2人の姉と両親に囲まれ幸せな日々を過ごしていた。 そんな家族に新たな仲間が加わる。弟の誕生を心待ちにしていたのは、いちばんの年少者であるジャックだった。 誕生したジョーを両親は "特別な子" と紹介する。 原作はジャコモ・マッツァリオールの実体験から生まれた小説で、世界的なベストセラーとなり、日本語にも翻訳出版されている。 この小説は、ダウン症の弟を主人公に捉えて、撮影されたYouTubeの5分間の動画「ザ・シンプル・インタビュー」から誕生した。 ダウン症は正式名称を "ダウン症候群" と言う。ヒト染色体は、1から22までは、通常ペアになっているが、このうち、21番目が3つ存在することで身体的な障害を発症する。 ジャックの両親は、医師からダウン症候群について説明を受ける。 症状には個人差がある。例えば、心臓疾患、食道や腸などの消化器系の疾患、糖尿病、高脂血症、甲状腺疾患、眼科系、耳鼻科系の様々な疾患が現れる確率を告げられ、それに対処できる予めの知識を教えられる。でも、両親は前向きだった。 幼いジョーは、特別な弟のことを "スーパーヒーロー" だと信じているが、次第にその "特別" の意味を理解するようになる。 新たな学校生活が始まったジョーは、新しい友だちたちの前で、弟の存在を隠そうとして、つい嘘をついてしまう。 思春期の少年の危うく揺らぐ心情は理解できるが、その代償は残念ながら拡大し思わぬ事態へと堕ちてしまう。 少年の成長物語としてよく描けているが、それにも増して素晴らしいのは、ネガティブな話をどん底に落とし込まない、家族の対処の仕方だと思う。理想的なと言えるほどに、この家族は眩しいくらい美しい。 語り手:覗き見猫映画にはまって40数年。近頃、めっきり視力が衰えてきましたが、字幕を追う集中力はまだまだ大丈夫です。好きなジャンルは? 人間ドラマ…面白くない半端な回答…甘い青春映画も大好きです。 83% 観たい! (5)検討する (1) 語り手:覗き見猫映画にはまって40数年。近頃、めっきり視力が衰えてきましたが、字幕を追う集中力はまだまだ大丈夫です。好きなジャンルは? 人間ドラマ…面白くない半端な回答…甘い青春映画も大好きです。 2024年05月08日 / ブルックリンでオペラを ブルックリンの街が素敵なスクリューボール・コメディ 2024年05月07日 / パリ・ブレスト ~夢をかなえたスイーツ~ 若きパティシエの奇跡の成長譚 2024年05月07日 / パリ・ブレスト ~夢をかなえたスイーツ~ 美味しそうなスイーツを眺めているだけで笑顔になれる映画 more 2023年03月22日 / 渋谷TOEI(東京都) 東映初の直営館が69年の歴史に幕を下ろす。 2019年11月27日 / 前橋シネマハウス(群馬県) 今まで手つかずだった休館した映画館に再び映画の灯が… 2018年04月11日 / 日田シネマテーク・リベルテ(大分県) 山間にある水郷の街で、映画に向き合う至福の時間 more
こんなに何でも話し合える家族って羨ましい⁈
イタリアのとある街に暮らす5歳のジャックは、2人の姉と両親に囲まれ幸せな日々を過ごしていた。
そんな家族に新たな仲間が加わる。弟の誕生を心待ちにしていたのは、いちばんの年少者であるジャックだった。
誕生したジョーを両親は "特別な子" と紹介する。
原作はジャコモ・マッツァリオールの実体験から生まれた小説で、世界的なベストセラーとなり、日本語にも翻訳出版されている。
この小説は、ダウン症の弟を主人公に捉えて、撮影されたYouTubeの5分間の動画「ザ・シンプル・インタビュー」から誕生した。
ダウン症は正式名称を "ダウン症候群" と言う。ヒト染色体は、1から22までは、通常ペアになっているが、このうち、21番目が3つ存在することで身体的な障害を発症する。
ジャックの両親は、医師からダウン症候群について説明を受ける。
症状には個人差がある。例えば、心臓疾患、食道や腸などの消化器系の疾患、糖尿病、高脂血症、甲状腺疾患、眼科系、耳鼻科系の様々な疾患が現れる確率を告げられ、それに対処できる予めの知識を教えられる。でも、両親は前向きだった。
幼いジョーは、特別な弟のことを "スーパーヒーロー" だと信じているが、次第にその "特別" の意味を理解するようになる。
新たな学校生活が始まったジョーは、新しい友だちたちの前で、弟の存在を隠そうとして、つい嘘をついてしまう。
思春期の少年の危うく揺らぐ心情は理解できるが、その代償は残念ながら拡大し思わぬ事態へと堕ちてしまう。
少年の成長物語としてよく描けているが、それにも増して素晴らしいのは、ネガティブな話をどん底に落とし込まない、家族の対処の仕方だと思う。理想的なと言えるほどに、この家族は眩しいくらい美しい。
語り手:覗き見猫
映画にはまって40数年。近頃、めっきり視力が衰えてきましたが、字幕を追う集中力はまだまだ大丈夫です。好きなジャンルは? 人間ドラマ…面白くない半端な回答…甘い青春映画も大好きです。
語り手:覗き見猫
映画にはまって40数年。近頃、めっきり視力が衰えてきましたが、字幕を追う集中力はまだまだ大丈夫です。好きなジャンルは? 人間ドラマ…面白くない半端な回答…甘い青春映画も大好きです。