岐阜新聞 映画部

いま、どこかで出会える作品たち

Meet somewhere

潰れかけ農場を救う奇想天外起死回生の物語

2024年01月11日

ショータイム!

© 2021 - ESCAZAL FILMS - TF1 STUDIO - APOLLO FILMS DISTRIBUTION - FRANCE 3 CINÉMA - AUVERGNE-RHÔNE-ALPES CINÉMA

【出演】アルバン・イワノフ、サブリナ・ウアザニ、ベランジェール・クリエフ、ギイ・マルシャン、フィリップ・ベナムー、ムーサ・マースクリ、ミシェル・ベルニエ
【監督・脚本】ジャン=ピエール・アメリス

牛の鳴き声とともに "イッツ・ショータイム" の掛け声が響く

そんなに遠くない昔、2015年。フランスの中南部のカンタル地方にある片田舎が舞台。

3代に渡り酪農家として農場を営んでいるダヴィッドは、積もり積もったままの経営負債に悩んでいる。何ら先の見通せない状態のまま、呼び出された地方裁判所の判事から言い渡されたのは、財産の差押えの宣告だった。

打開策のないまま、それでも粘り抜いたダヴィッドは2ヶ月の猶予期間を獲得するが…。

家路につくダヴィッドが足を止めたのは、明るく輝くネオンサイン "キャバレー" の看板だった。

吸い寄せられるように店に入ったダヴィッドが目にしたのは、妖艶なポールダサー・ポニーが繰り広げるパフォーマンス。その魅力に釘づけにされたダヴィッドの脳裏をかすめたのは、途方もないあるアイデアだった。

『ショータイム!』は、経営危機からの打開を閃きのアイデアに託した、ひとりの酪農家の男の起死回生の物語で、何と!実話をものにしている。

監督は本作が13本目の長編映画となるジャン=ピエール・アメリス。作品のアイデアは2018年に地元の新聞で見かけた、ダヴィッド・コーメット氏の記事で、嘘のような奇抜なアイデアにより、経営危機に陥っていた農場を建て直したサクセスストーリーだった。

彼の生きざまにに魅了され、3週間後には映画化に向け、ダヴィッド本人に会うため。彼の農場のあるダウル地方に出向いたという。

農場をキャバレーにする。何とかショーの核となるポニーを口説き落とし、出演者のオーディション開催にこぎ着けるが、目指すショーの実体もはっきりしないまま、個性的なパフォーマーたちをこれも閃きで選出する。

イギリス映画でよく目にする、ゼロからの再出発で運命を切り開く物語。出演者たちが抱えるちょっとした過去や悩み、農場一筋一家の確執をフレンチエスプリにまぶして、爽やかな一編に仕上げている。

語り手:覗き見猫

映画にはまって40数年。近頃、めっきり視力が衰えてきましたが、字幕を追う集中力はまだまだ大丈夫です。好きなジャンルは? 人間ドラマ…面白くない半端な回答…甘い青春映画も大好きです。

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語り手:覗き見猫

映画にはまって40数年。近頃、めっきり視力が衰えてきましたが、字幕を追う集中力はまだまだ大丈夫です。好きなジャンルは? 人間ドラマ…面白くない半端な回答…甘い青春映画も大好きです。

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