岐阜新聞 映画部

いま、どこかで出会える作品たち

Meet somewhere

新たな妊娠のかたちに直面するSFドラマ

2024年01月11日

ポッド・ジェネレーション

© 2023 YZE – SCOPE PICTURES – POD GENERATION

【出演】エミリア・クラーク、キウェテル・イジョフォー、ロザリー・クレイグ、ヴィネット・ロビンソン、ジャン=マルク・バール
【監督・脚本】ソフィー・バーセス

あなたならどうするまで到達しないもどかしさ

AIが発達した近未来が舞台。

AIはあくまでも人工知能だから、人が実現する知覚や知性を再現することを指し、機械的な機能の事と理解するのだが、どうやら、決まった定義はないよう。そこで、コンピュータサイエンスにとどまることなく、心理学をはじめとする医学や哲学にまで及ぶ領域だと議論されているらしいが、どうも今ひとつピンとこない。

それはさておき、物語は…

ニューヨーク、ハイテク企業に勤めるレイチェルは、大企業ペガサス社が開発提案する新しい妊娠方法に興味を持つ。

それは、卵型(=ポッド)で子どもを育てるという、妊娠そのものの概念すら覆すテクノロジーだった。

現在ではあまり耳にしなくなったが、かつては人工受精に関連して、"試験管ベビー" という言い方があった。人工受精の歴史は1940年代までさかのぼる。それは、体外受精=胚移植のことで、不妊治療の医療方法として研究が進んだ。

受精して分裂した卵(=胚)を子宮内に移植することで成立する医療技術のことだが、受精卵を作る段階の映像が、あたかも実験器具を用いたように見えたことで、理科実験室でよく見かける試験管がイメージとして使われた。実際には試験管で体外受精はおこなわれない。

体外受精が成功したのは1978年のイギリスの生物学者ロバート・G・エドワーズ氏の手によるもので、日本での成功は1983年のことだった。

レイチェルが注目したのは、受精卵から胎児へと成長し、赤ちゃんまでの10ヶ月間を持ち運び可能な卵型ポッドで育てるというもの。

しかし、パートナーであるアルヴィーは植物学者であり、自然界にある諸々の奇跡に精通し、生き物の多様性に敏感ゆえに、自然な妊娠を強く望んでいた。

勿論、"もしも" の話だが、いくつかの問題提起が含まれている。それ故に、悩めるカップルの葛藤が些かあっさりし過ぎてはいまいか?

語り手:覗き見猫

映画にはまって40数年。近頃、めっきり視力が衰えてきましたが、字幕を追う集中力はまだまだ大丈夫です。好きなジャンルは? 人間ドラマ…面白くない半端な回答…甘い青春映画も大好きです。

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語り手:覗き見猫

映画にはまって40数年。近頃、めっきり視力が衰えてきましたが、字幕を追う集中力はまだまだ大丈夫です。好きなジャンルは? 人間ドラマ…面白くない半端な回答…甘い青春映画も大好きです。

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