岐阜新聞映画部映画館で見つけた作品私がやりました B! 3人の女性が繰り広げるバトル会話劇 2024年01月11日 私がやりました ©2023 MANDARIN & COMPAGNIE - FOZ - GAUMONT – FRANCE 2 CINÉMA - SCOPE PICTURES – PLAYTIME PRODUCTION 【出演】ナディア・テレスキウィッツ、レベッカ・マルデール、イザベル・ユペール、ファブリス・ルキーニ、ダニー・ブーン、アンドレ・デュソリエ 【監督】フランソワ・オゾン イザベル・ユペールのオーラいっぱいの圧巻の登場で映画が引き締る パリにある大豪邸で殺人事件が発生する。 被害者はその屋敷の主である大物映画プロデューサーだった。犯行現場から逃げ帰ったのは売れない若手女優のマドレーヌ。ルームメイトで新人の弁護士ポーリーヌにことの顛末を打ち明ける。 容疑者として逮捕されたマドレーヌは、弁護に立つポーリーヌが書いたシナリオどおりに裁判に臨む。 監督は、フランスの鬼才フランソワ・オゾン。 『グレース・オブ・ゴッド 告発の時』(2018年/日本公開2020年)では、神父による児童への性的虐待の告発への道のりを事実に基づき映画化。 『Summer of 85』(2020年/日本公開2021年)では、運命的に出会ったふたりの少年の恋と別れを描き。今年公開された『苦い涙』(2022年)では、自身が敬愛するニュージャーマンシネマの旗手だった故・ライナー・ヴェルナー・ファスビンダー作品を独自性を交えた見事なリメイクで、リスペクトを捧げている。 それぞれが毛色の違った内容で、自在な監督ぶり、昔はヤンチャだったことを知っているので、ちょっと感慨深い。 本作ではアガサ・クリスティを思わせる法廷劇を交えたミステリーストーリーをオリジナル脚本で手がけている。 法廷に立ったマドレーヌは、大物プロデューサーに襲われたことによる、咄嗟の抵抗だったこと、"正当防衛" を主張する。 巧みな台本を得た女優は、悲劇のヒロインとして一世一代の名演技を繰り広げ、裁判官や大衆を巻きこみ、無罪のみならずスターの座まで勝ち取ってしまう。 そんな絶頂にあったふたりの前に突然の訪問者が現れる。それはかつては一世を風靡した大女優オデットだった。 面白いのは時代設定が1935年なのに、セクハラやジェンダー要素を取り入れ、今にシンクロさせている事。オゾン監督らしさの喪失を嘆くのを抑えて、見事な会話劇と評価したい。 語り手:覗き見猫映画にはまって40数年。近頃、めっきり視力が衰えてきましたが、字幕を追う集中力はまだまだ大丈夫です。好きなジャンルは? 人間ドラマ…面白くない半端な回答…甘い青春映画も大好きです。 100% 観たい! (6)検討する (0) 語り手:覗き見猫映画にはまって40数年。近頃、めっきり視力が衰えてきましたが、字幕を追う集中力はまだまだ大丈夫です。好きなジャンルは? 人間ドラマ…面白くない半端な回答…甘い青春映画も大好きです。 2024年09月20日 / クレオの夏休み 6歳の少女のひと夏の冒険成長譚 2024年09月20日 / ボレロ 永遠の旋律 名曲 "ボレロ" の誕生を目と耳で体感する 2024年09月20日 / ボレロ 永遠の旋律 この名曲が作られた経緯を紐解く、愛と哀しみと苦しみのボレロ more 2018年05月02日 / ヒカリ座(栃木県) 宮っこたちに慕われ続ける餃子の街の映画館 2018年01月24日 / シネマディクト(青森県) 北の街にあるミニシアターで映画談議に花を咲かせる 2019年10月30日 / 土浦セントラルシネマズ(茨城県) 日本映画の隆盛から斜陽期まで…長年見続けてきた映画館 more
イザベル・ユペールのオーラいっぱいの圧巻の登場で映画が引き締る
パリにある大豪邸で殺人事件が発生する。
被害者はその屋敷の主である大物映画プロデューサーだった。犯行現場から逃げ帰ったのは売れない若手女優のマドレーヌ。ルームメイトで新人の弁護士ポーリーヌにことの顛末を打ち明ける。
容疑者として逮捕されたマドレーヌは、弁護に立つポーリーヌが書いたシナリオどおりに裁判に臨む。
監督は、フランスの鬼才フランソワ・オゾン。
『グレース・オブ・ゴッド 告発の時』(2018年/日本公開2020年)では、神父による児童への性的虐待の告発への道のりを事実に基づき映画化。
『Summer of 85』(2020年/日本公開2021年)では、運命的に出会ったふたりの少年の恋と別れを描き。今年公開された『苦い涙』(2022年)では、自身が敬愛するニュージャーマンシネマの旗手だった故・ライナー・ヴェルナー・ファスビンダー作品を独自性を交えた見事なリメイクで、リスペクトを捧げている。
それぞれが毛色の違った内容で、自在な監督ぶり、昔はヤンチャだったことを知っているので、ちょっと感慨深い。
本作ではアガサ・クリスティを思わせる法廷劇を交えたミステリーストーリーをオリジナル脚本で手がけている。
法廷に立ったマドレーヌは、大物プロデューサーに襲われたことによる、咄嗟の抵抗だったこと、"正当防衛" を主張する。
巧みな台本を得た女優は、悲劇のヒロインとして一世一代の名演技を繰り広げ、裁判官や大衆を巻きこみ、無罪のみならずスターの座まで勝ち取ってしまう。
そんな絶頂にあったふたりの前に突然の訪問者が現れる。それはかつては一世を風靡した大女優オデットだった。
面白いのは時代設定が1935年なのに、セクハラやジェンダー要素を取り入れ、今にシンクロさせている事。オゾン監督らしさの喪失を嘆くのを抑えて、見事な会話劇と評価したい。
語り手:覗き見猫
映画にはまって40数年。近頃、めっきり視力が衰えてきましたが、字幕を追う集中力はまだまだ大丈夫です。好きなジャンルは? 人間ドラマ…面白くない半端な回答…甘い青春映画も大好きです。
語り手:覗き見猫
映画にはまって40数年。近頃、めっきり視力が衰えてきましたが、字幕を追う集中力はまだまだ大丈夫です。好きなジャンルは? 人間ドラマ…面白くない半端な回答…甘い青春映画も大好きです。