岐阜新聞 映画部

いま、どこかで出会える作品たち

Meet somewhere

香港ノアールの代表作がスクリーンで甦る

2023年12月08日

『インファナル・アフェア 4K』3部作

©2002 Media Asia Films (BVI) Ltd. All Rights Reserved. ©2003 Media Asia Films (BVI) Ltd. All Rights Reserved. ©2003 Media Asia Films (BVI) Ltd. All Rights Reserved.

米国版リメイクはスコセッシ監督 ディカプリオ主演

香港映画の歴史を語れば戦前にまで遡らなければならない。また、日中戦争勃発後に抗日映画を撮り続けていた経緯も、素通りするわけにはいかなくなるが、先ず我々の世代が香港映画といって思い浮かべるのはカンフー映画だろう。

ブランド化した会社名で言うと、"ショー・ブラザース" が代表格となるのだが、60年代の終わり頃から急激に台頭した "ゴールデン・ハーヴェスト" の方が、香港映画の代名詞になり得る、いちばんタイムリーな存在でもある。

俳優で言えば、ブルース・リー。彼が香港映画人気の火付け役であったことは確かだが、残念なのは、彼が既に故人となっていたことだろう。とは言え、『燃えよドラゴン』(ロバート・クローズ監督/1973年)の世界的なヒットが、香港映画と言えばカンフー映画というイメージを定着させた。

その後を受け継ぐのはジャッキー・チェンだったが、アクション主体のカンフー映画が、次第にコメディ色が強くなり、新たな展開を見せることになった。

1980年代に入ると、新興の会社 "シネマシティ" が設立され、86年に公開された『男たちの挽歌』(ジョン・ウー監督/日本公開87年)のヒットにより、香港ノアールと呼ばれる新しい流れを作った。

1997年の香港の中国への返還に合わせた激動の時代を経た2002年、『インファナル・アフェア』(日本公開2003年)が公開された。

1991年、ストリートで育ったラウ(アンディ・ラウ)は香港マフィアの一員となるが、直ぐにボスに認められ、警察学校へ送り込まれる。

警察学校のエリートだったヤン(トニー・レオン)は、突然、退学を言い渡されるが、その裏にはマフィア組織への潜入という使命が隠されていた。真逆の形でそれぞれの組織で台頭した2人の男。その10年後が映画の主戦場となる。

宿命を背負った男たちの苦悩を巧みなストーリーで浮かび上がらせ、圧倒的は迫力のアクションで見せる。香港ノアールの代表作である。

スクリーンで堪能できるこの機会に、是非ご覧あれ!

語り手:覗き見猫

映画にはまって40数年。近頃、めっきり視力が衰えてきましたが、字幕を追う集中力はまだまだ大丈夫です。好きなジャンルは? 人間ドラマ…面白くない半端な回答…甘い青春映画も大好きです。

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語り手:覗き見猫

映画にはまって40数年。近頃、めっきり視力が衰えてきましたが、字幕を追う集中力はまだまだ大丈夫です。好きなジャンルは? 人間ドラマ…面白くない半端な回答…甘い青春映画も大好きです。

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