岐阜新聞 映画部

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あふれ出る映画愛、タランティーノを解剖する

2023年09月12日

クエンティン・タランティーノ 映画に愛された男

© 2019 Wood Entertainment

【出演】ゾーイ・ベル、ブルース・ダーン、ロバート・フォスター、ジェイミー・フォックス、サミュエル・ L ・ジャクソン、ジェニファー・ジェイソン・リー、ダイアン・クルーガー、ルーシー・リュー、マイケル・マドセン、イーライ・ロス、ティム・ロス、カート・ラッセル、クリストフ・ヴァルツ
【監督・脚本】タラ・ウッド

タランティーノに捧げるオマージュ映画

クエンティン・タランティーノは、スピルバーグと共に、名前で客が呼べる監督だ。私も、1992年のデビュー作『レザボア・ドックス』以来、すべて劇場でリアルタイムに観ている。

タランティーノ作品の特徴は、①凄まじいアクションと緩急自在なバイオレンス、②長セリフによる意味の無い会話劇、③自身が偏愛するB級アクション映画や、マニアックすぎる日本映画へのオマージュ、④忘れかけられている、かつてのスターの起用 などだ。

タランティーノは映画を10本監督したら引退すると公言しており、2019年公開の『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』が9本目。残るはあと1本である。

本作は、タランティーノの過去作を振り返り、本編映像と共に関係者へのインタビューを交えたオマージュ映画だ。原題は『QT8: The First Eight(最初の8本)』。『ヘイトフル・エイト』(2015)までの8本の秘密が解剖されるのだ。

映画は、「革命」「強い女性&ジャンル映画」「正義」の3部構成となっている。

第1部「革命」は、レンタルビデオ店に勤務しながら映画を観まくり、脚本を書きまくった時代を経て、革命的デビューを果たし、2作目の『パルプ・フィクション』でカンヌのパルム・ドールに輝くなど一躍映画界の寵児となるまでだ。

第2部「強い女性&ジャンル映画」は、3作目『ジャッキー・ブラウン』(1997)、4作目『キル・ビル』(2003・2004)、5作目『デス・プルーフ in グラインドハウス』(2007)を取り上げ、彼の女性観や、ジャンル映画へのあふれでる愛があぶり出されていく。

第3部「正義」は、6作目『イングロリアス・バスターズ』(2009)、7作目『ジャンゴ 繋がれざる者』(2012)と『ヘイトフル・エイト』。迫害を受けてきた人たちへの彼の思いがわかる。

タランティーノファン必見の映画だ。

語り手:ドラゴン美多

中学三年の時に見た「日本沈没」「燃えよドラゴン」のあまりの面白さから映画の虜になって四十数年、今も映画から夢と希望と勇気をもらっている、ファッションチェックに忙しい中年のおっさんです。

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語り手:ドラゴン美多

中学三年の時に見た「日本沈没」「燃えよドラゴン」のあまりの面白から映画の虜になって四十数年、今も映画から夢と希望と勇気をもらっている、ファッションチェックに忙しい中年のおっさんです。

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