岐阜新聞 映画部

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ニコラス・ケイジ、自虐ネタ満載のセルフパロディ映画

2023年05月26日

マッシブ・タレント

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【出演】ニコラス・ケイジ、ペドロ・パスカル、シャロン・ホーガン、アイク・バリンホルツ、アレッサンドラ・マストロナルディ、 ジェイコブ・スキーピオ、ニール・パトリック・ハリス、ティファニー・ハディッシュ
【監督】トム・ゴーミカン

どうしたニック?しょぼい人生じゃねえかよ

かつてはハリウッド・スターだったけど、いまや多額の借金を抱え、妻からは離婚され、望んだ役は断られる映画俳優ニック・ケイジ。これほぼニコラス・ケイジそのもので、本作は本人が本人役を演ずる自虐ネタ満載のマゾヒスティック・セルフパロディ映画である。ファンならずとも爆笑間違いなしだ。

原題は『The Unbearable Weight of Massive Talent(偉大すぎる才能の耐えられない重さ)』。『存在の耐えられない軽さ』(1988)のパロディだ。

今は落ちぶれて肌も汚くなったニコラス・ケイジの前に現れた、肌がツルツルの若かりし頃のニコラス・ケイジが言う(1人2役)。「どうしたんだよ、ニック? しょぼい人生じゃねえかよ」「忘れたのか? 俺たちはな、アカデミー主演男優賞のニコラス・ケイジなんだぜ!」。

安い仕事しかこない中、突如舞い込んだギャラ100万ドルの大仕事は、地中海のリゾートに住んでいるニコラス・ケイジの大ファンの大富豪ハビ(ペドロ・パスカル)の誕生パーティーへの参加だ。一番好きなのは『フェイス/オフ』。『リービング・ラスベガス』では無いところが、捻りがきいて面白い。映画を見ればわかるが、ハビの桁外れなマニアぶりは度肝をぬかされる。

その後の、CIAが絡んだ犯罪者集団との闘いは過去作へのオマージュであるし、派手なカーチェイスや切れのいいアクションシーンもリスペクトされており、ハラハラドキドキは止まらない。実によく出来たニコラス・ケイジ映画だ。

実際のニコラス・ケイジの浪費による莫大な借金は、働くことで乗り切ろうと決意し、11年でおよそ45本の映画に出演し全額完済した。なりふりかまわない生き方はむしろ尊敬に値するのだ。

全米では4月に久しぶりのメジャー作品『レンフィールド』が公開され、主役のドラキュラ伯爵を演じているとのこと。日本での公開が待ち遠しい。

語り手:ドラゴン美多

中学三年の時に見た「日本沈没」「燃えよドラゴン」のあまりの面白さから映画の虜になって四十数年、今も映画から夢と希望と勇気をもらっている、ファッションチェックに忙しい中年のおっさんです。

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語り手:ドラゴン美多

中学三年の時に見た「日本沈没」「燃えよドラゴン」のあまりの面白から映画の虜になって四十数年、今も映画から夢と希望と勇気をもらっている、ファッションチェックに忙しい中年のおっさんです。

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