岐阜新聞 映画部

いま、どこかで出会える作品たち

Meet somewhere

多民族異教徒家族の大騒動コメディ第3弾

2023年05月10日

最高の花婿 ファイナル

©2021 – LES FILMS DU PREMIER – LES FILMS DU 24 – TF1 FILMS PRODUCTION

【出演】クリスチャン・クラヴィエ、シャンタル・ロビー、アリ・アビタン、メディ・サドゥアン、フレッド・チョウ、エロディー・フォンタン ほか
【監督】フィリップ・ドゥ・ショーブロン

思ってはいても口には出さない日本人の美学が上等と感じる瞬間

クロード(クリスチャン・クラビエ)とマリー(ジャルタン・ロビー)のヴェルヌイユ夫妻は、敬虔なカトリック教徒で、政治的にも普段のモラルにしても保守的な考え方を貫いて、4人の娘を育てあげた。ところが、その娘たちは、異国からやって来た移民で異教徒の男たちと結婚してしまう。

そしてはじまる騒動を描いたコメディの初作、アンコールに続く、まさかの第3弾が本作『最高の花婿 ファイル』。トラブルのネタには事欠かないが、娘家族に湧きあがった海外移住を何とか食い止めた筈だったのに…。

"フランス人は議論がお好き" とよく言われるが、これは全てにに当てはまることではない。生活環境や個人の性格は様々だから、一括りにはできない。

そこで、日本人との違いで比較すると、自分の考え方を主張として口に出すことを憚る国民性…勿論、これにも個人差がある…が関係しているのかも知れない。日本映画で描かれる議論の場は、特殊な状況が設定され、議論は必然となって発生することが多い。

フランス映画では、例えば、ホームパーティとか、職場や学校といった人が集まる場所、または、ふたりだけの面と向かった状況下でもよく見かける。さりげない会話はいつの間にか、次第に声高に、議論という熱い場に変わる。

ヴェルヌイユ夫妻はもう直ぐ結婚40年を迎えようとしている。そこで娘夫婦たちが計画するのは、両親のためのサプライズパーティーだった。

長女の夫はアラブ系、次女はユダヤ系、三女は中国系で、末娘はアフリカ系という多民族ファミリー。こともあろうにその計画の中心目玉企画は、一族が一同に介するトンデモ企画だった。

議論という言い方は立派な響きがあるが、ぶっちゃけて言えば口喧嘩で、そこには差別丸出しのブラックな中傷までが含まれる。不快になるかも知れないけれど、まあ、コメディと大目に見て下さい。

語り手:覗き見猫

映画にはまって40数年。近頃、めっきり視力が衰えてきましたが、字幕を追う集中力はまだまだ大丈夫です。好きなジャンルは? 人間ドラマ…面白くない半端な回答…甘い青春映画も大好きです。

観てみたい

100%
  • 観たい! (10)
  • 検討する (0)

語り手:覗き見猫

映画にはまって40数年。近頃、めっきり視力が衰えてきましたが、字幕を追う集中力はまだまだ大丈夫です。好きなジャンルは? 人間ドラマ…面白くない半端な回答…甘い青春映画も大好きです。

ページトップへ戻る