岐阜新聞 映画部

いま、どこかで出会える作品たち

Meet somewhere

インド映画の本領 超絶娯楽大作

2023年04月25日

RRR

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【出演】NTR Jr.、ラーム・チャラン
【監督・脚本】S.S.ラージャマウリ

偏見なしなら楽しめてハマるかも?

私的偏見に満ちたインド映画の話。

インドにはサタジット・レイという監督がいた。少し大袈裟に言えば、地図上の認知だったインドという国の姿を映像で実像化し映画として世に送り出した人。

『大地のうた』は、サタジット・レイ監督が3年をかけて製作した最初の作品で、1955年に公開され、国際的な評価も獲得した(日本公開は10年以上遅れた1966年).。

インド・ベンガル地方で、貧しい暮らしを強いられる一家の生活を見つめた作品は、イタリアン・ネオリアリズモの巨匠ヴィットリオ・デ・シーカ監督の『自転車泥棒』(1948年/日本公開1950年)に強い影響を受けて製作された。

『大地のうた』は一家に誕生するオプーの成長譚として、その後、『大河のうた』(1956年/日本公開1970年)、『大樹のうた』(1959年)の3部作として完成したが、日本では、岩波ホールでの3部作一挙公開の1974年まで、待たなければならなかった。

個人的にも、『大地のうた』を観たのは、70年代の後半になってからのことだった。インドの人々の生きる様、階級格差といった社会問題の生々しい姿に強い衝撃を受けた記憶は今も鮮明に残っている。そして、インド映画と言えばサタジット・レイ監督という認識はその頃に根づいた。 それが覆るきっかけには、インドはハリウッドを凌ぐ映画大国という情報が先行している。

インドは現在、中国を抜いて世界一の人口を有し、多様な民族、言語、宗教によって構成されている。娯楽として映画が繁栄する幾つかの要素がそこにあった。そして目の当たりにした本領発揮のインド映画体験は、トラウマに近いものとなってしまう。

『RRR』はそのインド映画の典型と言える作品。時代設定は大英帝国統治下。少女救出のために立ち上がった男2人の友情を絡めた、アクション活劇。超絶アクション、斬新な振付けのダンス、高いテンション、長い上映時間。フルコンボでお腹いっぱいになる。

語り手:覗き見猫

映画にはまって40数年。近頃、めっきり視力が衰えてきましたが、字幕を追う集中力はまだまだ大丈夫です。好きなジャンルは? 人間ドラマ…面白くない半端な回答…甘い青春映画も大好きです。

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語り手:覗き見猫

映画にはまって40数年。近頃、めっきり視力が衰えてきましたが、字幕を追う集中力はまだまだ大丈夫です。好きなジャンルは? 人間ドラマ…面白くない半端な回答…甘い青春映画も大好きです。

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