岐阜新聞映画部映画館で見つけた作品マイヤ・イソラ 旅から生まれるデザイン B! 北欧を代表するデザイナー、マイヤ・イソラに迫る 2023年04月03日 マイヤ・イソラ 旅から生まれるデザイン © 2021 Greenlit Productions and New Docs 【出演】マイヤ・イソラ、クリスティーナ・イソラ、エンマ・イソラ 【監督・脚本・撮影】レーナ・キルペライネン 最も想像力がかき立てられるのは、自由である時 シンプルでナチュラルなデザイン、それでいて大胆な色使いが特徴的な北欧デザインは、ファッションはもちろん、暮らしを彩る家具や生活雑貨などにも深く浸透している。日本ではIKEAやH&Mが有名だ。 北欧におけるシンプルで機能的で使い易いものを長く使うという文化と、日本の「わび・さび」に代表される自然との共生を楽しみ質素を好む文化とは共通項が多く、日本の北欧ブームは納得できる。 ネコのデザインや陶器で有名なスウェーデンの"リサ・ラーソン"と並び、北欧を代表するフィンランドのファブリックメーカー"マリメッコ"。代表的なデザインである、ポピーの花をモチーフにしアカやオレンジを使った大胆で鮮やかなパターンの"ウニッコ"柄は、世界中のオシャレ女子に愛好されている。 その"マリメッコ"を代表するデザイナーが、マイヤ・イソラ(1927-2001)だ。前述のウニッコ柄は、彼女が1964年に発表したデザインで、マリメッコの創業者アルミ・ラティアの信条「ファブリックには決して花を描いてはいけない。自然界の花には決して叶わない」の掟を破り、彼女は布地いっぱいにポピーを描いた。 本作のレーナ・キルペライネン監督は、斬新で挑戦的なマイヤ・イソラの人生を描くのに、アーカイブ映像やクリップ映像、当時のニュースフィルムに加え、アニメーションカットまで用いて表現しており、分かりやすく親しみやすい作品となっている。 世界中を旅し、旅の中から発想し、女性としての「自由」を追い続けた母親が、娘・クリスティーナに宛てた手紙や日記で語っていくという方式は、例え女優さんが代読しているのだわかっていても、あたかも本人が語っているような錯覚に陥ってしまう。 マイヤは言う。「最も想像力がかき立てられるのは、自由である時。旅をしている時」。「最も大切な自由とは、失敗が許される自由」。鮮やかなドキュメンタリーである。 語り手:ドラゴン美多中学三年の時に見た「日本沈没」「燃えよドラゴン」のあまりの面白さから映画の虜になって四十数年、今も映画から夢と希望と勇気をもらっている、ファッションチェックに忙しい中年のおっさんです。 100% 観たい! (11)検討する (0) 語り手:ドラゴン美多中学三年の時に見た「日本沈没」「燃えよドラゴン」のあまりの面白から映画の虜になって四十数年、今も映画から夢と希望と勇気をもらっている、ファッションチェックに忙しい中年のおっさんです。 2023年12月11日 / パトリシア・ハイスミスに恋して 人気作家の真実に迫るドキュメンタリー 2023年12月11日 / パトリシア・ハイスミスに恋して 弱さや強がりが垣間見られる異色のドキュメンタリー 2023年12月11日 / インファナル・アフェアII 無間序曲 4K 若き日のヤンとラウの青春物語、無間道への序曲だ more 2021年08月25日 / 【思い出の映画館】浅草東映/東映パラス(東京都) 浅草六区映画街で映画を観た後の楽しみ 2023年01月18日 / ギンレイホール(東京都) かつての花街にあった名画座で青春時代を過ごす。 2021年03月17日 / 盛岡ピカデリー/ルミエール(岩手県) 東北の城下町にある市民が愛した小さな映画館 more
最も想像力がかき立てられるのは、自由である時
シンプルでナチュラルなデザイン、それでいて大胆な色使いが特徴的な北欧デザインは、ファッションはもちろん、暮らしを彩る家具や生活雑貨などにも深く浸透している。日本ではIKEAやH&Mが有名だ。
北欧におけるシンプルで機能的で使い易いものを長く使うという文化と、日本の「わび・さび」に代表される自然との共生を楽しみ質素を好む文化とは共通項が多く、日本の北欧ブームは納得できる。
ネコのデザインや陶器で有名なスウェーデンの"リサ・ラーソン"と並び、北欧を代表するフィンランドのファブリックメーカー"マリメッコ"。代表的なデザインである、ポピーの花をモチーフにしアカやオレンジを使った大胆で鮮やかなパターンの"ウニッコ"柄は、世界中のオシャレ女子に愛好されている。
その"マリメッコ"を代表するデザイナーが、マイヤ・イソラ(1927-2001)だ。前述のウニッコ柄は、彼女が1964年に発表したデザインで、マリメッコの創業者アルミ・ラティアの信条「ファブリックには決して花を描いてはいけない。自然界の花には決して叶わない」の掟を破り、彼女は布地いっぱいにポピーを描いた。
本作のレーナ・キルペライネン監督は、斬新で挑戦的なマイヤ・イソラの人生を描くのに、アーカイブ映像やクリップ映像、当時のニュースフィルムに加え、アニメーションカットまで用いて表現しており、分かりやすく親しみやすい作品となっている。
世界中を旅し、旅の中から発想し、女性としての「自由」を追い続けた母親が、娘・クリスティーナに宛てた手紙や日記で語っていくという方式は、例え女優さんが代読しているのだわかっていても、あたかも本人が語っているような錯覚に陥ってしまう。
マイヤは言う。「最も想像力がかき立てられるのは、自由である時。旅をしている時」。「最も大切な自由とは、失敗が許される自由」。鮮やかなドキュメンタリーである。
語り手:ドラゴン美多
中学三年の時に見た「日本沈没」「燃えよドラゴン」のあまりの面白さから映画の虜になって四十数年、今も映画から夢と希望と勇気をもらっている、ファッションチェックに忙しい中年のおっさんです。
語り手:ドラゴン美多
中学三年の時に見た「日本沈没」「燃えよドラゴン」のあまりの面白から映画の虜になって四十数年、今も映画から夢と希望と勇気をもらっている、ファッションチェックに忙しい中年のおっさんです。