岐阜新聞 映画部

いま、どこかで出会える作品たち

Meet somewhere

成人雑誌の作り方教えます、お仕事ムービー

2023年03月28日

グッドバイ、バッドマガジンズ

©ふくよか舎/ピークサイド

【出演】杏花、ヤマダユウスケ、架乃ゆら、西洋亮、山岸拓生、菊池豪、岩井七世、春日井静奈、カトウシンスケ、グレート義太夫
【監督】横山翔一

すべてのエピソードはほぼ事実

名古屋では昔から情報誌が盛んで、いまでも『KELLy』や『Cheek』という地元出版社の情報誌は、30有余年発行され続けている。

そしてSNSで何でも情報が手に入る前は、成人誌も幅を利かせていた。購入することはなかったが、「シティヘブン」とか「ザ・漫遊記」とか覚えているし、「ザ・プレイマガジン」には私の友人が映画評を書いていて、毎号プレゼントしてくれた。懐かしい思い出である。

東京オリンピックを前に各コンビニから成人雑誌コーナーが撤去されたが、それまでは「漫画華漫」「ご当地人妻密会DX」「金髪美尻」などというタイトルの雑誌が普通に置かれていた。購入者はほぼ必ず他のモノと一緒に購入する(この気持ちよくわかる)し、手間もかからず腐らないので、コンビニにとっては有難い商品だったらしい。

本作はオシャレな雑誌の編集者になりたかったウブな女子・詩織(杏花)が、出版不況の中ギリギリ生き残った成人雑誌の編集部に配属され、奮闘しながら成長していく青春・お仕事ムービーだ。

私は現職の前は、道路地図の出版社の編集部門で働いていた。映画に出てくるような編集部とは全く違っていたが、取引先には旅行ガイドや登山雑誌の出版社、小さな編集プロダクションがあり、みなさん頭が良くてエネルギッシュな方ばかりだった。映画に出てきた人たちを見て「こんな人いたな」とうなずいていた。

シネマスコーレでの舞台あいさつで、監督とプロデューサーが「すべてのエピソードはほぼ事実」とおっしゃっていた。無茶苦茶な職場環境とえげつない仕事ぶりであるが、雑誌編集は羨ましくもあり、やってみたい気持ちにもなった。まじめに煽情的なキャッチコピーを考えたり、ペナルティで若手男性社員が男優役をやったりとか面白すぎる。

完全自主映画で、テアトル新宿で1週間だけの公開だったが、ついにCINEXでも上映される。とにかく面白い映画である。

語り手:ドラゴン美多

中学三年の時に見た「日本沈没」「燃えよドラゴン」のあまりの面白さから映画の虜になって四十数年、今も映画から夢と希望と勇気をもらっている、ファッションチェックに忙しい中年のおっさんです。

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語り手:ドラゴン美多

中学三年の時に見た「日本沈没」「燃えよドラゴン」のあまりの面白から映画の虜になって四十数年、今も映画から夢と希望と勇気をもらっている、ファッションチェックに忙しい中年のおっさんです。

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