岐阜新聞 映画部

いま、どこかで出会える作品たち

Meet somewhere

避暑地に集う2つの家族の騒動記

2023年02月06日

泣いたり笑ったり

© 2019 Warner Bros. Entertainment Italia S.r.l. - Picomedia S.r.l. - Groenlandia S.r.l.

【出演】アレッサンドロ・ガスマン、ジャスミン・トリンカ、ファブリツィオ・ベンティヴォッリオ、フィリッポ・シッキターノ
【監督】シモーネ・ゴーダノ

身近になってはじめてわかる一律や平等の形

美しい海原を望む豪華な別荘。持主のカステルヴェッキオ家の家長で美術商のトニ(ファブリッツィオ・ベンティヴォリオ)は、その離れを漁師のペターニャ家に貸し出す。そこには家長のカルロ(アレッサンドロ・ガスマン)と長男夫婦、その息子とカルロの次男がやって来る。

一方、母屋ではトニの誕生日を祝うため、2人の娘と孫娘、トニの妹が恋人を連れて集まっていた。

『泣いたり笑ったり』は、ヨーロッパ映画によくある、避暑地に集う大家族のひと時を描く、定番の設定で始まるが、トニとカルロには、家族に秘密にしている、ある隠し事があった。

カルロの長男サンドロ(フィリッポ・シッキターノ)は、父親と家主のトニのスキンシップを目撃してしまう。触った触っていないで揉み合いに発展して、騒動を聞きつけた家族が集まって来る。そのタイミングでトニが口を滑らせたのは、新しい恋の相手、再婚相手が、カルロであるという衝撃(?)の告白だった。

LGBTQ。ー 異なるセクシャリティを理解するという考え方は、日本は欧米に比べて後進国だとされている。そもそも、理解するという考え方が先行するのは、そこに異なるものと認識する差別の対象が存在することで、はじめから線引きのない世の中であることが理想なのだが、それを一律に求めることは現実的ではない。

映画はイタリアの話なのだが、父親同士の再婚には、家族ひとりひとりが、違った捉え方で、反応をする。

そこには先進後進の違いだけではすまない、個人の認識の格差が存在してしまう。これは致し方ないことなのかも知れない。

家族間で賛否入り乱れる中、トニの長女ペネロペ(ジャスミン・トリンカ)は、家の価値観の違いを引き出すため、家族がしばらく時間を共有することを提案する。それは父親に結婚を諦めさせるための計画だったが…。

同性同士の結婚、楽観だったり深刻だったり、泣いて笑って、ちょっと考えてみる。

語り手:覗き見猫

映画にはまって40数年。近頃、めっきり視力が衰えてきましたが、字幕を追う集中力はまだまだ大丈夫です。好きなジャンルは? 人間ドラマ…面白くない半端な回答…甘い青春映画も大好きです。

観てみたい

100%
  • 観たい! (10)
  • 検討する (0)

語り手:覗き見猫

映画にはまって40数年。近頃、めっきり視力が衰えてきましたが、字幕を追う集中力はまだまだ大丈夫です。好きなジャンルは? 人間ドラマ…面白くない半端な回答…甘い青春映画も大好きです。

ページトップへ戻る