岐阜新聞映画部映画館で見つけた作品トゥモロー・モーニング B! 結婚と離婚の前夜を交錯させるミュージカル 2023年01月25日 トゥモロー・モーニング ©Tomorrow Morning UK Ltd. and Visualize Films Ltd. Exclusively licensed to TAMT Co., Ltd. for Japan 【出演】サマンサ・バークス、ラミン・カリムルー、ジョーン・コリンズ、ハリエット・ソープ、ジョージ・マグワイア 【監督】ニック・ウィンストン デュエットで交わす歌声の先に見える明日は… イギリス、ロンドンが舞台。キャサリン(キャット)とビル(ウィル)は、互いが画家と小説家になる夢を抱き、大恋愛を経て結婚する。 それから10年、テムズ川沿いで家庭を持ち暮らすふたり。キャサリンは前衛画家として成功し、ビルはコピーライターとして売れっ子となり、愛すべき子どもにも恵まれた。ところが、ふたりの間には溝が生まれ、すれ違いの日々が続いていた。そして、ついに離婚を決意する。 『トゥモロー・モーニング』は、そんなふたりが、出会った頃を振り返り、過去と今の時間軸を交錯させて描くミュージカルである。 ローレンス・マーク・ワイスによる脚本、作曲の舞台劇は、2006年にロンドンで初演され、日本でも2013年に上演されている。 ミュージカルといえば、歌とダンスがセットになっていると思われがちだが、本作にはダンスシーンはなく、劇の進行の流れで、感情を歌として表現するタイプの歌劇である。 舞台版が大きく異なるのは、結婚前夜と離婚前夜を別々の役者カップルが演じていること。観客ははじめ、同一のカップルだとは気づかない構成になっている。観客は幸せの絶頂と、不幸のどん底みたいな、比較差に戸惑いつつ、次第に、それが同じカップルのストーリーであることがわかる仕掛けで、これは場面転換が単一の場である舞台の特性を活かす演出と言えよう。 キャサリンを演じるサマンサ・バークスは、2012年に公開された『レ・ミゼラブル』(トム・フーパー監督)でエポニーヌ役を演じ、その後も、「オリバー!」「シカゴ」などでもヒロインを演じるミュージカル女優。 ビルを演じるラミン・カリムルーはイラン生まれでカナダ育ち。「オペラ座の怪人」のファントム役を史上最年少の28歳で演じた実力派の舞台俳優である。 監督のニック・ウィンストンも舞台畑の演出家だが、映像化の工夫は随所に感じられる。 デュエットで堪能するミュージカルをご賞味あれ。 語り手:覗き見猫映画にはまって40数年。近頃、めっきり視力が衰えてきましたが、字幕を追う集中力はまだまだ大丈夫です。好きなジャンルは? 人間ドラマ…面白くない半端な回答…甘い青春映画も大好きです。 100% 観たい! (5)検討する (0) 語り手:覗き見猫映画にはまって40数年。近頃、めっきり視力が衰えてきましたが、字幕を追う集中力はまだまだ大丈夫です。好きなジャンルは? 人間ドラマ…面白くない半端な回答…甘い青春映画も大好きです。 2023年12月11日 / パトリシア・ハイスミスに恋して 人気作家の真実に迫るドキュメンタリー 2023年12月11日 / パトリシア・ハイスミスに恋して 弱さや強がりが垣間見られる異色のドキュメンタリー 2023年12月11日 / インファナル・アフェアII 無間序曲 4K 若き日のヤンとラウの青春物語、無間道への序曲だ more 2021年03月03日 / みやこシネマリーン(岩手県) 震災から10年…復興を続ける街で夢を贈り続ける 2021年06月23日 / 【思い出の映画館】シアターホームラン(埼玉県) 小江戸・川越で映画の灯を守り続けた老舗劇場 2018年11月07日 / 大川シネマホール(福岡県) 若者が魅力に感じる街にしようと立ち上げた映画館 more
デュエットで交わす歌声の先に見える明日は…
イギリス、ロンドンが舞台。キャサリン(キャット)とビル(ウィル)は、互いが画家と小説家になる夢を抱き、大恋愛を経て結婚する。
それから10年、テムズ川沿いで家庭を持ち暮らすふたり。キャサリンは前衛画家として成功し、ビルはコピーライターとして売れっ子となり、愛すべき子どもにも恵まれた。ところが、ふたりの間には溝が生まれ、すれ違いの日々が続いていた。そして、ついに離婚を決意する。
『トゥモロー・モーニング』は、そんなふたりが、出会った頃を振り返り、過去と今の時間軸を交錯させて描くミュージカルである。
ローレンス・マーク・ワイスによる脚本、作曲の舞台劇は、2006年にロンドンで初演され、日本でも2013年に上演されている。
ミュージカルといえば、歌とダンスがセットになっていると思われがちだが、本作にはダンスシーンはなく、劇の進行の流れで、感情を歌として表現するタイプの歌劇である。
舞台版が大きく異なるのは、結婚前夜と離婚前夜を別々の役者カップルが演じていること。観客ははじめ、同一のカップルだとは気づかない構成になっている。観客は幸せの絶頂と、不幸のどん底みたいな、比較差に戸惑いつつ、次第に、それが同じカップルのストーリーであることがわかる仕掛けで、これは場面転換が単一の場である舞台の特性を活かす演出と言えよう。
キャサリンを演じるサマンサ・バークスは、2012年に公開された『レ・ミゼラブル』(トム・フーパー監督)でエポニーヌ役を演じ、その後も、「オリバー!」「シカゴ」などでもヒロインを演じるミュージカル女優。
ビルを演じるラミン・カリムルーはイラン生まれでカナダ育ち。「オペラ座の怪人」のファントム役を史上最年少の28歳で演じた実力派の舞台俳優である。
監督のニック・ウィンストンも舞台畑の演出家だが、映像化の工夫は随所に感じられる。
デュエットで堪能するミュージカルをご賞味あれ。
語り手:覗き見猫
映画にはまって40数年。近頃、めっきり視力が衰えてきましたが、字幕を追う集中力はまだまだ大丈夫です。好きなジャンルは? 人間ドラマ…面白くない半端な回答…甘い青春映画も大好きです。
語り手:覗き見猫
映画にはまって40数年。近頃、めっきり視力が衰えてきましたが、字幕を追う集中力はまだまだ大丈夫です。好きなジャンルは? 人間ドラマ…面白くない半端な回答…甘い青春映画も大好きです。