岐阜新聞 映画部

いま、どこかで出会える作品たち

Meet somewhere

不登校になった中学生に寄り添う傑作アニメ

2023年01月26日

かがみの孤城

©2022「かがみの孤城」製作委員会

【出演】當真あみ、北村匠海、吉柳咲良、板垣李光人、横溝菜帆、高山みなみ、梶裕貴/芦田愛菜/宮崎あおい
【監督】原 恵一

感動的な怒涛の回想シーンに心震える

日本を代表するアニメーション映画の監督である原恵一の「かがみの孤城」は、昨年の私の日本映画ベストワンの作品。

原作は2018年の本屋大賞を史上最多投票数で受賞した、直木賞作家・辻村深月の同名ファンタジー小説。

学校に居場所をなくし、部屋に閉じこもる日々を送る女子中学生・こころが主人公。ある日突然部屋の鏡が光り出し、吸い込まれるように中に入ると、そこには海に囲まれたお城があり、見ず知らずの中学生6人と狼のお面をかぶった女の子がこころを待っていた。そして「オオカミさま」と呼ばれる女の子の言葉に従い、こころを含めた7人の中学生が城に隠された願いの叶う鍵を探すことになる。期限は1年間。やがて彼らには共通点があることがわかり、7人は少しずつ心を通わせていく。

「映画クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶモーレツ!オトナ帝国の逆襲」、「映画クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶアッパレ!戦国大合戦」、「河童のクゥと夏休み」、「カラフル」等、原恵一監督は映画史に残る数々のアニメーション映画を撮ってきた。そして実写作品にも、木下惠介監督の第二次世界大戦中の実話を題材にした「はじまりのみち」という傑作がある。

「かがみの孤城」は、不登校になった主人公に寄り添い、彼女の声に耳を傾け、「君は一人じゃない」と声を掛け、そっと背中を押してあげる、そんな心優しい素敵な作品で、原恵一監督が敬愛する山田太一のホームドラマのタッチで描かれたファンタジー「カラフル」に匹敵する傑作。特に終盤の、中学生たちそれぞれの境遇を描いた、映像と音楽が一体となった9分半に及ぶ怒涛のフラッシュバックには心震えた。原恵一の名を知らしめた傑作「映画クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶモーレツ!オトナ帝国の逆襲」の名場面を彷彿とさせる、圧巻のクライマックスであった。

語り手:井上 章

映画鑑賞歴44年。出来る限り映画館で観ることをモットーとし、日本映画も外国映画も、新作も旧作も、ジャンルを問わず観てきたおかげか、2006年に、最初の映画検定1級の試験に最高点で合格しました。

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語り手:井上 章

映画鑑賞歴44年。出来る限り映画館で観ることをモットーとし、日本映画も外国映画も、新作も旧作も、ジャンルを問わず観てきたおかげか、2006年に、最初の映画検定1級の試験に最高点で合格しました。

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