岐阜新聞 映画部

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韓国の最旬スターが綺羅星のように出る、オールスター映画

2023年01月10日

ハッピーニューイヤー

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【出演】ハン・ジミン、イ・ドンウク、カン・ハヌル、イム・ユナ、ウォン・ジナ、イ・ヘヨン、チョン・ジュニョン、キム・ヨングァン、ソ・ガンジュン、イ・グァンス、コ・スンヒ、イ・ジヌク、チョ・ジュニョン、ウォン・ジアン
【監督】クァク・ジェヨン

華やかで浮き浮きして、どこかしら共感できる

本作は典型的なグランド・ホテル形式で描かれている。ホテル(もしくは一つの場所)を中心に人が集まり、そこで物語が展開される形式で、アメリカ映画の『グランド・ホテル』(1932/アカデミー作品賞)が由来である。

登場人物それぞれの人生を並行して描きながら巧みに物語を交錯させ、最後は大団円を迎える。多くの出演者に均等にスポットが当たるのでオールスターキャストには打って付けの形式だ。

それに加え本作は、日本映画黄金時代に盆と正月に公開された東映スター総出演「東映オールスター時代劇」の如く、韓国の最旬スターが綺羅星のように出ているのだ。

主要キャストだけでも14人(男優8人女優6人)という大所帯を破綻なく快調に演出していくのは、恋愛映画の名手クァク・ジェヨン監督。ベテランだけあって美男美女揃いの俳優たちの最もキラキラ輝く部分を、カッコよく美しく描いていて、見ているこちらも笑顔になってくる。

上映時間2時間18分というチョット長めの映画だが、時間を全く感じさせない。それは14人全員のキャラが立っていて、年齢・職業・境遇・おかれた立場はもとより、髪型から服装に至るまで絶妙にキャラ分けされているからだ。もちろんストーリーの巧みさで飽きさせないのは言うまでもない。

映画の内容は大きく6つの人間関係に分かれるが、それぞれが奥ゆかしくて微笑ましくて愛らしい。微妙な三角関係も、立場を超えた愛も、声だけの繋がりも、老いらくの恋も、男同士の信頼も、青春のきらめきも、全部抱きしめたい。どの関係性も、どこかしら共感できるのだ。

私が映画ファンになった1970年代後半、正月映画と言えば松竹は寅さん、東宝は百恵友和、東映はトラック野郎だった。華やかで何か浮き浮きしたものだ。

『ハッピーニューイヤー』はまさにそんな感じ。正月くらい、格差社会や社会の分断や上がらな給料のことを忘れて楽しみたいのだ。

語り手:ドラゴン美多

中学三年の時に見た「日本沈没」「燃えよドラゴン」のあまりの面白さから映画の虜になって四十数年、今も映画から夢と希望と勇気をもらっている、ファッションチェックに忙しい中年のおっさんです。

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語り手:ドラゴン美多

中学三年の時に見た「日本沈没」「燃えよドラゴン」のあまりの面白から映画の虜になって四十数年、今も映画から夢と希望と勇気をもらっている、ファッションチェックに忙しい中年のおっさんです。

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