岐阜新聞映画部映画館で見つけた作品キュリー夫人 天才科学者の愛と情熱 B! 偉人・キュリー夫人の激動の半生記 2022年11月30日 キュリー夫人 天才科学者の愛と情熱 © 2019 STUDIOCANAL S.A.S AND AMAZON CONTENT SERVICES LLC 【出演】ロザムンド・パイク、サム・ライリー、アナイリン・バーナード、アニャ・テイラー=ジョイ 【監督】マルジャン・サトラピ 2度のノーベル賞を受賞した唯一無二の女性 ノーベル賞はダイナマイトの発明で知られるアルフレッド・ノーベルの死後に、彼の遺言に基づいて設定されたもので、物理、化学、医学・生理学、文学、平和、経済の6部門がある。 日本では、毎年秋のノーベル受賞の発表の時期には、近年、日本人の受賞が続いたこともあり、事前の予想からざわつき出し、ニュース報道は過熱する。今年の受賞はあるのか? 今年こその受賞はあるのか? 現在まで、日本人のノーベル賞受賞者は26人いるが、女性の受賞者はいない。これはジェンダー差別への理解が欧米諸国より遅れていると指摘される日本に限ってのことでもない。ノーベル賞全体で女性の総受賞者は53名で、比率にすると5.6%に過ぎない。もう少し細かく分析すると、その内、60%が文学、平和賞に偏り、物理、化学賞の受賞比率は僅か1.5%ということになる。 映画の冒頭、若き女性研究者マリ・スカウォドフスカ、のちのキュリー夫人は、パリのソルボンヌ大学からあからさまな性差別を受け、研究機会さえ与えられない日陰の立場に追いやられる。 マリ・スカウォドフスカは、1867年ポーランドのワルシャワに5人兄妹の末っ子として生まれた。生家は科学者の家系で、彼女も幼い頃から優れた才覚を表した。 いくつかの恋と、紆余曲折を経て、フランスへの移住を決意したのは1891年の秋だった。 パリのソルボンヌ大学で虐げられたマリは、ある日、同大の研究者だったピエール・キュリーと出会う。映画ではトレンディドラマ風の運命的な場面が描かれている。その時、1894年の春。 恋に落ちたマリとピエールは、共同の研究を始める。プライド高き研究者同士、ぶつかり合うことも多かったが、翌年の7月にはポーランドから父や姉を呼び、ささやかな結婚式を挙げた。 映画は、マリの研究者としての苦悩と、波乱に富んだ私生活をあからさまに描く。スキャンダルには少々驚いたが、アルフレッド・ノーベルと同じく、自らの発見、発明に心を痛めることになる運命には震えた。 語り手:覗き見猫映画にはまって40数年。近頃、めっきり視力が衰えてきましたが、字幕を追う集中力はまだまだ大丈夫です。好きなジャンルは? 人間ドラマ…面白くない半端な回答…甘い青春映画も大好きです。 100% 観たい! (11)検討する (0) 語り手:覗き見猫映画にはまって40数年。近頃、めっきり視力が衰えてきましたが、字幕を追う集中力はまだまだ大丈夫です。好きなジャンルは? 人間ドラマ…面白くない半端な回答…甘い青春映画も大好きです。 2024年09月13日 / 幻の光 デビュー作から並みの監督でないことはよくわかる 2024年09月12日 / 密輸 1970 勝つのは誰だ?四つ巴のクライム・アクションムービー 2024年09月10日 / 幸せのイタリアーノ 嘘つきシニョーレと車椅子セニョリータの大人のラブストーリー more 2018年06月06日 / シアターシエマ(佐賀県) 飲屋街にある閉館した映画館が意外な姿となって甦る 2022年04月13日 / 長崎セントラル劇場(長崎県) 父から引き継ぐ映画館で映画の灯を守り続ける。 2019年04月24日 / 高知あたご劇場(高知県) 高知市内に創業当時の姿で映画の火を灯す more
2度のノーベル賞を受賞した唯一無二の女性
ノーベル賞はダイナマイトの発明で知られるアルフレッド・ノーベルの死後に、彼の遺言に基づいて設定されたもので、物理、化学、医学・生理学、文学、平和、経済の6部門がある。
日本では、毎年秋のノーベル受賞の発表の時期には、近年、日本人の受賞が続いたこともあり、事前の予想からざわつき出し、ニュース報道は過熱する。今年の受賞はあるのか? 今年こその受賞はあるのか?
現在まで、日本人のノーベル賞受賞者は26人いるが、女性の受賞者はいない。これはジェンダー差別への理解が欧米諸国より遅れていると指摘される日本に限ってのことでもない。ノーベル賞全体で女性の総受賞者は53名で、比率にすると5.6%に過ぎない。もう少し細かく分析すると、その内、60%が文学、平和賞に偏り、物理、化学賞の受賞比率は僅か1.5%ということになる。
映画の冒頭、若き女性研究者マリ・スカウォドフスカ、のちのキュリー夫人は、パリのソルボンヌ大学からあからさまな性差別を受け、研究機会さえ与えられない日陰の立場に追いやられる。
マリ・スカウォドフスカは、1867年ポーランドのワルシャワに5人兄妹の末っ子として生まれた。生家は科学者の家系で、彼女も幼い頃から優れた才覚を表した。
いくつかの恋と、紆余曲折を経て、フランスへの移住を決意したのは1891年の秋だった。
パリのソルボンヌ大学で虐げられたマリは、ある日、同大の研究者だったピエール・キュリーと出会う。映画ではトレンディドラマ風の運命的な場面が描かれている。その時、1894年の春。
恋に落ちたマリとピエールは、共同の研究を始める。プライド高き研究者同士、ぶつかり合うことも多かったが、翌年の7月にはポーランドから父や姉を呼び、ささやかな結婚式を挙げた。
映画は、マリの研究者としての苦悩と、波乱に富んだ私生活をあからさまに描く。スキャンダルには少々驚いたが、アルフレッド・ノーベルと同じく、自らの発見、発明に心を痛めることになる運命には震えた。
語り手:覗き見猫
映画にはまって40数年。近頃、めっきり視力が衰えてきましたが、字幕を追う集中力はまだまだ大丈夫です。好きなジャンルは? 人間ドラマ…面白くない半端な回答…甘い青春映画も大好きです。
語り手:覗き見猫
映画にはまって40数年。近頃、めっきり視力が衰えてきましたが、字幕を追う集中力はまだまだ大丈夫です。好きなジャンルは? 人間ドラマ…面白くない半端な回答…甘い青春映画も大好きです。