岐阜新聞 映画部

いま、どこかで出会える作品たち

Meet somewhere

浪速のロッキーは、どついて、どついて、どつきまくる

2022年11月22日

AKAI

©映画『AKAI』製作委員会

【出演】赤井英和
【監督・編集】赤井英五郎

いまは陽気なチョイ悪おやじも、昔はホントにカッコよかった

赤井英和さんは1959年8月生まれなので私より1個下、ほぼ同年代のボクサーかつ俳優である。1980年9月にプロデビューしてからは、「どついて、どついて、どつきまくる」ファイトスタイルで12戦連続KO勝ち。長身の男前ということもあり世界戦の前から絶大な人気を誇っていた。私も間違いなく世界チャンピオンになるものと思っていた。

1985年2月の大和田戦で意識不明のKO負け。かの有名なボクサーが瀕死の重症!一歩間違えば死ぬかもしれないなんて、スポーツなの?って率直に思ったものだ。

そんな赤井英和さんの過去と現在をアーカイブ映像とインタビューで掘り下げたのは、長男で映像作家兼プロボクサーの赤井英五郎さんである。

いまは陽気なチョイ悪おやじである赤井さん。家の周りや室内を片付けるのは好きだけど、ぶきっちょで大雑把で、いつも奥さんから呆れられている赤井さん。

でもお父さんがプロボクサーだった頃はホントにカッコよかったんだから、って感じで英五郎さんは紡いでいく。

朝日放送に残されたアマチュア時代からのファイトシーンや生意気な言動。初の世界戦であるブルース・カリー戦。そして問題の大和田戦。試合も写り込む観客の様子も懐かしく、応援していたあの頃が蘇ってくる。

ストレート、フックにアッパーでパンチを繰り出し、サイドステップ、バックステップで相手のパンチをよける。赤井選手の戦いぶりをよく知った英五郎さんならではの選択と編集だ。臨場感のある生きた映像となっている。

2つの試合のシーンでかかる「ロッキー」のテーマ。「浪速のロッキー」にはこれしかないしずるいぐらいに決まっているが、奇跡的にビル・コンティの許可がとれたらしい。これで「ロッキー」シリーズをもリスペクトできたのだ。

そして自伝的映画『どついたるねん』(1989)の圧倒的迫力は、赤井さんの後の人生を決めた。見事な生き様である。

語り手:ドラゴン美多

中学三年の時に見た「日本沈没」「燃えよドラゴン」のあまりの面白さから映画の虜になって四十数年、今も映画から夢と希望と勇気をもらっている、ファッションチェックに忙しい中年のおっさんです。

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語り手:ドラゴン美多

中学三年の時に見た「日本沈没」「燃えよドラゴン」のあまりの面白から映画の虜になって四十数年、今も映画から夢と希望と勇気をもらっている、ファッションチェックに忙しい中年のおっさんです。

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