岐阜新聞 映画部

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再スタート『ロッキー4』が新たに甦る

2022年10月12日

ロッキーVSドラゴ:ROCKY Ⅳ

©︎2021 Metro-Goldwyn-Mayer Studios Inc. All Rights Reserved.

【出演】ドルフ・ラングレン、タリア・シャイア、カール・ウェザース、ブリジット・ニールセン、バート・ヤング、ジェームズ・ブラウン、トニー・バートン、マイケル・パタキ、ロバート・ドーンニック、ストゥ・ネイハン
【監督・脚本・主演】シルべスター・スタローン

『グリード』に繋ぐ意味はあるが苦しい編集(つなぎ)が見え隠れ

『ロッキー』(ジョン・G・アビルドセン監督/76年)が日本で公開されたのは1977年の4月。すでに第49回のアカデミー賞で、作品、監督、編集賞を受賞した後だった。

"ボクシング映画に駄作なし" とは、よくできた格言で、洋画、邦画を問わず、キラ星の名作が連なるが、その中にあって、『ロッキー』の第1作は、特に輝く一等星かも知れない。

その2年後の79年には、続編『ロッキー2』が公開された。シルベスター・スタローンは第1作で脚本を書いた、いわばロッキーの生みの親であるわけで、監督を兼任し物語を成長させることは自然の成り行きでもあった。82年には『ロッキー3』が公開され、ロッキーの成長物語は3部作として大団円を迎えた。

それから3年後の85年、新たな始まりの物語として公開されたのが『ロッキー4/炎の友情』(日本公開86年)だった。

3部作でロッキーの絶対的なライバルであったアポロ(カール・ウェザース)が、ソビエト連邦からやって来たボクサー・ドラゴ(ドルフ・ラングレン)の挑戦を受けるところから始まる。

まず、この設定が時代を感じさせる。今はなき "ソビエト社会主義共和国連邦" はこの5年後に崩壊するのだが、この時、まだ、アメリカ合衆国に敵対する東西の構図の親分国だったから、敵として想定するには都合が良かった。

ドラゴは最新の科学技術を駆使して鍛え上げられ造られたボクサーとして登場する。そこにはマシーンのような姿、冷血さが強調されていた。

それを迎え撃ったアポロは玉砕し、命まで奪われてしまう。そして、ロッキーは再びリングに立つ決意をする。

本作はこの『ロッキー4』の4Kデジタルリマスター版だが、最近流行の新装版とは大きく異なる。まず、42分に及ぶ未公開映像をもとに再編集されていることで、物語の印象も違っている。さらに、スクリーンサイズをシネスコ=ワイドに、サウンドを5.1chにグレードアップさせている。

初見の方にも再見の方にも如何にこの "新作" が届くか?

語り手:覗き見猫

映画にはまって40数年。近頃、めっきり視力が衰えてきましたが、字幕を追う集中力はまだまだ大丈夫です。好きなジャンルは? 人間ドラマ…面白くない半端な回答…甘い青春映画も大好きです。

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語り手:覗き見猫

映画にはまって40数年。近頃、めっきり視力が衰えてきましたが、字幕を追う集中力はまだまだ大丈夫です。好きなジャンルは? 人間ドラマ…面白くない半端な回答…甘い青春映画も大好きです。

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