岐阜新聞 映画部

いま、どこかで出会える作品たち

Meet somewhere

カルト教団を舞台に人間の欲望を描いた快作

2022年10月04日

ビリーバーズ

©山本直樹・小学館/「ビリーバーズ」製作委員会

【出演】磯村勇斗、北村優衣、宇野祥平、毎熊克哉、山本直樹
【監督・脚本】城定秀夫

エロティシズムとユーモアの匙加減が絶妙

「ビリーバーズ」は、「愛なのに」、「女子高生に殺されたい」に次ぐ、今年3本目の城定秀夫監督作品。原作は山本直樹のコミックだが、私は未読。

あるカルト教団の修行のため、無人島で共同生活をする2人の男と1人の女を主人公にした、エロティシズム全開のR15+の作品。成人映画から一般映画まで幅広い作品を量産している城定監督だけに、R15+で描けるギリギリの表現を熟知している。

3人の男女は、宗教団体・ニコニコ人生センターに所属し禁欲的な孤島プログラムを実践中で、互いを議長、副議長、オペレーターと呼び合い、メールで送られてくる指令を実行しながら、わずかな食料でギリギリの生活をしている。そんな彼らの日常が徐々に綻びだし、やがて崩壊に突き進む。

原作のモデルはオウム真理教だが、カルト教団全般を揶揄した内容で、教団の教えを自分の都合のいいように解釈する、人間の欲望をブラックユーモアで描いている。

磯村勇斗と宇野祥平も好演だが、北村優衣の体当たりの演技が素晴らしい。

語り手:井上 章

映画鑑賞歴44年。出来る限り映画館で観ることをモットーとし、日本映画も外国映画も、新作も旧作も、ジャンルを問わず観てきたおかげか、2006年に、最初の映画検定1級の試験に最高点で合格しました。

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語り手:井上 章

映画鑑賞歴44年。出来る限り映画館で観ることをモットーとし、日本映画も外国映画も、新作も旧作も、ジャンルを問わず観てきたおかげか、2006年に、最初の映画検定1級の試験に最高点で合格しました。

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