岐阜新聞 映画部

いま、どこかで出会える作品たち

Meet somewhere

圧倒的な緊迫感で描かれるサバイバル脱出劇

2022年09月26日

モガディシュ 脱出までの14日間

© 2021 LOTTE ENTERTAINMENT & DEXTER STUDIOS & FILMMAKERS R&K All Rights Reserved.

【出演】キム・ユンソク、ホ・ジュノ、チョ・インソン、ク・ギョファン、キム・ソジン、チョン・マンシク
【監督】リュ・スンワン

韓国映画の底力を感じさせる力作

「モガディシュ 脱出までの14日間」は、1990年のソマリア内戦に巻き込まれた、韓国と北朝鮮の大使館員たちの脱出劇の映画化で、韓国映画の底力を感じさせる力作。

共に国連加盟を目指し、多数の投票権を持つアフリカ諸国でロビー活動をする韓国と北朝鮮。ソマリアの首都モガディシュで支持を取り付けようと奔走する両国の出し抜き合いに始まり、内線勃発後略奪や焼き討ちにあって生命の危機に晒され、相容れない両国大使館員が協力しあいながら国外脱出を図るサバイバルが圧倒的な緊迫感で描かれる。しかも随所にユーモラスな描写も交えて、緩急のバランスも絶妙。両国大使館員の心のふれあいも、節度のある描写で違和感はない。

内戦シーンの臨場感も凄まじく、外国で内戦に巻き込まれる恐怖感も半端ない。たぶん現在の日本映画では、これほどリアルな同種の映画は作れないであろう。

韓国のハン大使を「1987、ある闘いの真実」のキム・ユンソク、北朝鮮のリム大使を「国家が破産する日」のホ・ジュノが演じている。

監督は、「ベルリンファイル」のリュ・スンワン。

語り手:井上 章

映画鑑賞歴44年。出来る限り映画館で観ることをモットーとし、日本映画も外国映画も、新作も旧作も、ジャンルを問わず観てきたおかげか、2006年に、最初の映画検定1級の試験に最高点で合格しました。

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語り手:井上 章

映画鑑賞歴44年。出来る限り映画館で観ることをモットーとし、日本映画も外国映画も、新作も旧作も、ジャンルを問わず観てきたおかげか、2006年に、最初の映画検定1級の試験に最高点で合格しました。

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