岐阜新聞 映画部

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エリザベス女王の魅力が詰まったポップなドキュメンタリー

2022年08月01日

エリザベス 女王陛下の微笑み

©Elizabeth Productions Limited 2021

【出演】エリザベス2世、フィリップ王配、チャールズ皇太子、ウィリアム王子、ヘンリー王子、キャサリン妃、ジョージ王子、メ―ガン妃、ダイアナ元妃、ザ・ビートルズ、エルトン・ジョン、ダニエル・クレイグ、マリリン・モンロー、ウィンストン・チャーチル ほか
【監督】ロジャー・ミッシェル

王室はイギリス最大のアイコンだ

エリザベス女王は、1975年5月に一度だけ来日、東京都心をオープンカーでパレードし熱狂的な歓迎を受けた。その模様は同年夏に公開された『男はつらいよ 寅次郎相合い傘』でも触れられ、とらや一家がテレビを見ながら「お若いねえ」「旦那さん養子だってな」とお茶の間話に花を咲かせていた。

新型コロナウィルスで新作が撮れなくなった故ロジャー・ミッシェル監督がアーカイブ映像のみを使った本作は、エリザベス女王の素顔の魅力を存分に詰め込んだポップでキュートなドキュメンタリーに仕上がった。

エリザベス女王は今年で在位70年。常に注目を集める立場なので公私に渡って様々な映像が残されている。間には戦争があったり、チャールズ皇太子の離婚、ダイアナ元妃の死、アン王女の離婚など辛いことがいっぱいあったが、それを乗り越えていく強さ。常に笑顔を絶やさずユーモアを交えて次々と仕事をこなしていくタフさ。

競馬場で贔屓の馬が勝って小躍りして喜ぶ女王。嬉しそうに受け取ったお札の顔は自分だ。そんなキュートな姿が次から次へと映し出される。

映画にナレーションは一切なく、変わりに多彩なカルチャーに満ちた女王にちなんだイギリスならではのサウンドや映像で綴られる。

音楽で言えば、ロビー・ウィリアムズやナット・キング・コール、そしてもちろんビートルズ。曲目は、憧れの女性を歌ったものからズバリ女王陛下を歌ったものまで心憎い選曲だ。

映画は、エリザベス・テイラーやオードリー・ヘプバーン、ケイト・ブランシェットまで、女王や王女を演じた映画がマニア心をくすぐるように続々と登場する。

コメディアンは王室をネタにしたコントで笑わせ、マグカップには女王の肖像が印刷され普通に売られる。

敬愛されたりいじられたり何でもありだが、王室はイギリス最大のアイコンでありリスペクトされていることがよくわかる上出来のドキュメンタリーだ。

語り手:ドラゴン美多

中学三年の時に見た「日本沈没」「燃えよドラゴン」のあまりの面白さから映画の虜になって四十数年、今も映画から夢と希望と勇気をもらっている、ファッションチェックに忙しい中年のおっさんです。

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語り手:ドラゴン美多

中学三年の時に見た「日本沈没」「燃えよドラゴン」のあまりの面白から映画の虜になって四十数年、今も映画から夢と希望と勇気をもらっている、ファッションチェックに忙しい中年のおっさんです。

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