岐阜新聞映画部映画館で見つけた作品帰らない日曜日 B! 特別な1日を振り返る秘密の恋の物語 2022年07月04日 帰らない日曜日 © CHANNEL FOUR TELEVISION CORPORATION, THE BRITISH FILM INSTITUTE AND NUMBER 9 FILMS SUNDAY LIMITED 2021 【出演】オデッサ・ヤング、ジョシュ・オコナー、コリン・ファース、オリヴィア・コールマン 【監督】エヴァ・ユッソン 身分の違いなんて裸の2人には関係ない 1924年、3月のイギリス。資産家のニヴン家の当主ゴッドフリー(コリン・ファース)は、その日開催される昼食会のことを気にかけている。第一次世界大戦後の暗雲が未だに立ち込める中、ようやく、おめでたい結婚の報告を兼ねた催しだった。心配した天気にも恵まれた1日になりそうだが、妻のクレア(オリヴィア・コールマン)は、晴天の空のように晴々とした気分にはなれないでいた。 その日は "母の日=マザリング・サンデー"。イギリス中のメイドが年に一度の里帰りを許される日でもあった。朝、かかってきた電話に出た二ヴン家のメイド・ジェーン(オデッサ・ヤング)は、事務的な対応をするが、それはこの日の婚約発表の昼食会の主役でもある、ジュリンガム家のポール(ジョシュ・オコナー)からの誘いの電話だった。 ふたりはジェーンが二ヴン家にやって来た日から、互いに惹かれ合い逢瀬を重ねる仲だったが、身分の違いも自覚する秘密の関係だった。 『帰らない日曜日』は、この "母の日" =特別な1日を描いた映画だが、作家となったジェーン(グレンダ・ジャクソン)が、過去を振り返る構成となっている。 原作はグレアム・スウィフトの小説で、当時のイギリスの上流階級の芳醇な生活がきめ細やかに描写されている。 ジェーンとポールが待ち合わせたのは、誰もいないシュリンガム家の屋敷。限られた時間、愛し合い求め合う恋人の美しい瞬間がそこにあった。 やがて、遅刻を決めていた昼食会へ向かうポール。それを見送るジェーン。ふたりの関係は終わるはずではなかったが…。 物語はジェーンのその後、作家を志した日々も描かれているが、ジェーンにとって強い影響を及ぼしたのは、運命のあの日曜日の記憶だった。 ジェーンを演じたオデッサ・ヤングの儚さを内包した、美しく瑞々しい存在感が素晴らしい。 お金持ちのぼんぼんを演じたジョシュ・オコナーの奔放な憎めない自由さも良い。 それを支えたベテラン俳優陣の質の高いサポートが映画を支えている。 語り手:覗き見猫映画にはまって40数年。近頃、めっきり視力が衰えてきましたが、字幕を追う集中力はまだまだ大丈夫です。好きなジャンルは? 人間ドラマ…面白くない半端な回答…甘い青春映画も大好きです。 100% 観たい! (6)検討する (0) 語り手:覗き見猫映画にはまって40数年。近頃、めっきり視力が衰えてきましたが、字幕を追う集中力はまだまだ大丈夫です。好きなジャンルは? 人間ドラマ…面白くない半端な回答…甘い青春映画も大好きです。 2024年09月13日 / 幻の光 デビュー作から並みの監督でないことはよくわかる 2024年09月12日 / 密輸 1970 勝つのは誰だ?四つ巴のクライム・アクションムービー 2024年09月10日 / 幸せのイタリアーノ 嘘つきシニョーレと車椅子セニョリータの大人のラブストーリー more 2020年10月14日 / シネマスコーレ(愛知県) 若松孝二監督が遺した学校という名の小さな映画館 2023年08月30日 / KBCシネマ(福岡県) 博多の湾岸エリアにある常連から愛される映画館 2023年03月22日 / 渋谷TOEI(東京都) 東映初の直営館が69年の歴史に幕を下ろす。 more
身分の違いなんて裸の2人には関係ない
1924年、3月のイギリス。資産家のニヴン家の当主ゴッドフリー(コリン・ファース)は、その日開催される昼食会のことを気にかけている。第一次世界大戦後の暗雲が未だに立ち込める中、ようやく、おめでたい結婚の報告を兼ねた催しだった。心配した天気にも恵まれた1日になりそうだが、妻のクレア(オリヴィア・コールマン)は、晴天の空のように晴々とした気分にはなれないでいた。
その日は "母の日=マザリング・サンデー"。イギリス中のメイドが年に一度の里帰りを許される日でもあった。朝、かかってきた電話に出た二ヴン家のメイド・ジェーン(オデッサ・ヤング)は、事務的な対応をするが、それはこの日の婚約発表の昼食会の主役でもある、ジュリンガム家のポール(ジョシュ・オコナー)からの誘いの電話だった。
ふたりはジェーンが二ヴン家にやって来た日から、互いに惹かれ合い逢瀬を重ねる仲だったが、身分の違いも自覚する秘密の関係だった。
『帰らない日曜日』は、この "母の日" =特別な1日を描いた映画だが、作家となったジェーン(グレンダ・ジャクソン)が、過去を振り返る構成となっている。
原作はグレアム・スウィフトの小説で、当時のイギリスの上流階級の芳醇な生活がきめ細やかに描写されている。
ジェーンとポールが待ち合わせたのは、誰もいないシュリンガム家の屋敷。限られた時間、愛し合い求め合う恋人の美しい瞬間がそこにあった。
やがて、遅刻を決めていた昼食会へ向かうポール。それを見送るジェーン。ふたりの関係は終わるはずではなかったが…。
物語はジェーンのその後、作家を志した日々も描かれているが、ジェーンにとって強い影響を及ぼしたのは、運命のあの日曜日の記憶だった。
ジェーンを演じたオデッサ・ヤングの儚さを内包した、美しく瑞々しい存在感が素晴らしい。
お金持ちのぼんぼんを演じたジョシュ・オコナーの奔放な憎めない自由さも良い。
それを支えたベテラン俳優陣の質の高いサポートが映画を支えている。
語り手:覗き見猫
映画にはまって40数年。近頃、めっきり視力が衰えてきましたが、字幕を追う集中力はまだまだ大丈夫です。好きなジャンルは? 人間ドラマ…面白くない半端な回答…甘い青春映画も大好きです。
語り手:覗き見猫
映画にはまって40数年。近頃、めっきり視力が衰えてきましたが、字幕を追う集中力はまだまだ大丈夫です。好きなジャンルは? 人間ドラマ…面白くない半端な回答…甘い青春映画も大好きです。