岐阜新聞 映画部

いま、どこかで出会える作品たち

Meet somewhere

子供の感情の揺れを繊細に描いた秀作

2022年06月20日

カモン カモン

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【出演】ホアキン・フェニックス、ウディ・ノーマン、ギャビー・ホフマン、モリー・ウェブスター、ジャブーキー・ヤング=ホワイト
【監督】マイク・ミルズ

幼き頃の記憶を忘れかけた大人たちは必見

マイク・ミルズ監督の「カモン カモン」は、独身の中年ラジオジャーナリスト(ホアキン・フェニックス)と、妹から預かった9歳の甥っ子(ウッディ・ノーマン)が共に過ごした日々を、モノクロームの映像で描いた素敵な作品。ふたりが次第に心の距離を縮めていく過程に説得力があり、その数日間がかけがえのない日々として心に刻まれる。

この作品くらい、子供の感情の揺れを繊細に描き、突飛な行動にもちゃんと理由があることを、キッチリ描いた映画はあまりないと思う。

子役のウッディ・ノーマンも素晴らしいが、それを受けるホアキン・フェニックスのリアルなリアクション演技が出色。「ジョーカー」などで、今や名優の域に入ったフェニックスだが、今回の素のままの姿とさえ思わせる自然な演技は、確実にファンを増やすだろう。

モノクロームの美しい映像は、このセンシティブな作品世界に相応しく、懐かしい子供の頃の記憶を呼び覚ましてくれる。

幼き頃の記憶を忘れかけた大人たち必見の秀作である。

語り手:井上 章

映画鑑賞歴44年。出来る限り映画館で観ることをモットーとし、日本映画も外国映画も、新作も旧作も、ジャンルを問わず観てきたおかげか、2006年に、最初の映画検定1級の試験に最高点で合格しました。

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語り手:井上 章

映画鑑賞歴44年。出来る限り映画館で観ることをモットーとし、日本映画も外国映画も、新作も旧作も、ジャンルを問わず観てきたおかげか、2006年に、最初の映画検定1級の試験に最高点で合格しました。

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