岐阜新聞 映画部

いま、どこかで出会える作品たち

Meet somewhere

予測不能な展開の青春スリラー映画の秀作

2022年04月21日

女子高生に殺されたい

©2022日活

【出演】田中圭/南沙良、河合優実、莉子、茅島みずき、細田佳央太/加藤菜津、久保乃々花、キンタカオ/大島優子
【監督】城定秀夫

瑞々しく描かれる青春映画のエッセンス

「女子高生に殺されたい」は、「愛なのに」の城定秀夫監督がエロを封印して撮ったスリラー映画。

タイトル通り「女子高生に殺されたい」願望の教師(田中圭)を主人公に、主人公の元カノの臨床心理士(大島優子)、多重人格の女子高生、予知能力がある女子高生らが繰り広げるストーリーは、展開が予測不能で面白い。

しかし、特殊な人間が一堂に会する設定なので、一つ間違えば白けた映画になりかねない。だがさすがは百戦錬磨の城定秀夫監督、確かな演出力で、ブライアン・デ・パルマ監督の「キャリー」のような青春スリラー映画の秀作に仕上げている。

イケメン教師への憧れや片思いの恋、そして女同士の友情等、青春映画のエッセンスを瑞々しく描き、主人公の謎めいた計画の異常性と絶妙なバランスをとっている。

田中圭、大島優子、そして「愛なのに」の河合優実(陰キャラのメガネっこ役)をはじめとする若手女優たちの好演も特筆しておきたい。

語り手:井上 章

映画鑑賞歴44年。出来る限り映画館で観ることをモットーとし、日本映画も外国映画も、新作も旧作も、ジャンルを問わず観てきたおかげか、2006年に、最初の映画検定1級の試験に最高点で合格しました。

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語り手:井上 章

映画鑑賞歴44年。出来る限り映画館で観ることをモットーとし、日本映画も外国映画も、新作も旧作も、ジャンルを問わず観てきたおかげか、2006年に、最初の映画検定1級の試験に最高点で合格しました。

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