岐阜新聞 映画部

いま、どこかで出会える作品たち

Meet somewhere

城定秀夫VS今泉力哉コラボ企画第1弾

2022年03月24日

愛なのに

©2021「愛なのに」フィルムパートナーズ

【出演】瀬戸康史、さとうほなみ、河合優実、中島歩、向里祐香、丈太郎
【監督】城定秀夫

厄介でも向き合う愛のかたちが清々しい

古書店を営む多田浩司(瀬戸康史)は帳場で読書中。店にいる客は常連の顔ぶれなのか、穏やかな日常がそこにある。と、客のひとり、女子高生の岬(河合優美)が、1冊の本を手に勘定を済ませることなく店から逃走する。追いついた浩司は万引きした顛末を詰問するが、一転、「前から好きでした。結婚して欲しい」と堰を切ったような告白を受ける。

三十路の男は、その突然の出来事に迅速に対応できるはずもなく、恥ずかしながら狼狽えるしかない。

結婚を控えた一花(さとうほなみ)は、婚約者の亮介(中島歩)と準備に追われている。その日も、ウェディングドレスの選定で悩んでいる。頼りになるのは亮介ではなく、ウェディングプランナーの美樹(向里祐香)だったが、その美樹と亮介が男女の仲なのは知る由もない。

『愛なのに』は、『性の劇薬』『アルプススタンドのはしの方』の城定秀夫監督と、『愛がなんだ』『街の上で』の今泉力哉監督のコラボレーション企画 "L/R15(エルアールジュウゴ)" の1作で、脚本は共同執筆され、R15指定のラブストーリーとなる劇場映画を監督するというもの。本作は城定監督作品。

2003年に監督デビュー、その年にピンク映画大賞の新人監督賞を受賞。以来、ピンク映画界の巨匠としてキャリアを積み、近年、一般映画でもその力量を示す城定秀夫監督が、超売れっ子で恋愛映画の名手、今泉力哉監督とコラボを組む。この企画にはおおいに期待を膨らませていた。

ある日、浩司は友人たちから、かつてのバイト仲間で、浩司とちょっとワケありだった岬の結婚の話を知らされる。

古本屋の主人と女子高生、マリッジブルーのカップルと危うい結婚プランナー。今泉映画によく見る人間模様の絡みあいが加速する展開だが、ひと味違うのは、わざわざ企画の冠になっている "R15" の指定への意識だ。

今泉映画、特に最近の作品に、何故かないのはSEXについての言及、描写ではないか?

推測の域を出ないが、苦手あるいは照れを城定監督に託す試み。それに応えた演出の冴は和歌で言うところの贈答の形で、城定映画として完成させている。

語り手:覗き見猫

映画にはまって40数年。近頃、めっきり視力が衰えてきましたが、字幕を追う集中力はまだまだ大丈夫です。好きなジャンルは? 人間ドラマ…面白くない半端な回答…甘い青春映画も大好きです。

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語り手:覗き見猫

映画にはまって40数年。近頃、めっきり視力が衰えてきましたが、字幕を追う集中力はまだまだ大丈夫です。好きなジャンルは? 人間ドラマ…面白くない半端な回答…甘い青春映画も大好きです。

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