岐阜新聞映画部映画館で見つけた作品Pure Japanese B! 大和魂を模索するアクション映画 2022年02月21日 Pure Japanese ©2021「Pure Japanese」製作委員会 【出演】ディーン・フジオカ、蒔田彩珠/渡辺哲、金子大地、黒岩司、大北晋平、鷲津秀人、二ノ宮隆太郎、水間ロン、呉城久美、高野春樹、ボブ鈴木、鈴木孝之、坂口征夫、村上淳、 嶋田久作、別所哲也 【監督】松永大司 期待を裏切る定番のオンパレード 江戸時代を再現したテーマパーク "江戸村" にあるステージでは、剣術ショーが行われている。楽屋では出演者たちが衣装に着替えたり、段取りの打ち合わせをしたりと忙しい。 そんな中、立石(ディーン・フジオカ)はひとり鏡に向かい化粧=メイクをほどこしている。 ショーが始まる。立石は出演者ではなく、殺陣に合わせて効果音を発生させるスイッチャーを担当している。孤立すら感じさせる彼は、アメリカでのスタント経験はあったが、入団まもない新入りの立場。そしてもうひとつ、激しいスタント=殺陣はできない事情があった。同僚たちは馴染まない立石を快く思っておらず、噂は誤解を生んだ。 江戸村のある町は、日本の何処かにあるかしれない典型的な過疎地域で、復興の手立てとして、温泉の活用による観光化という方法を模索していた。 施設建設のための土地の買上が進んでいるが、ひとり隆三(渡辺哲)だけが、土地の売却を拒否している。 隆三の孫娘で高校生のアユミ(蒔田彩珠)は、そんな頑固な祖父の説得を、アルバイト先の客でもあるヤクザもののブローカーにしつこく迫られていた。 『Pure Japanese』は、主役を演じるディーン・フジオカが自ら企画、プロデュースを務めている。彼は1980年福島県生まれ。高校卒業後、アメリカ・シアトルのカレッジに留学経験を持つ。卒業後もアジアの国々をめぐり、2004年、香港でモデル活動を始めたのを皮切りに、台湾での俳優活動でブレイクした。2013年に日本映画で凱旋出演を果たすが、なんと言っても、2016年のNHKの朝ドラ「あさが来た」の五代友厚役で、一躍全国区となり現在に至る。 外国生活を永く体験し、外側から日本を見る目を持ったからこその視点を期待したのだが…。 まず、先にふれた、過疎の町、再開発、反対住民、地上げ屋のヤクザもの、と言った構図はよく見かけるもの。それに裏で糸を引く政治家の存在あり、となればアイテムのフル装備となる。 また、三島由紀夫を持ち出すまでもなく、日本人=武士道という精神性も、教科書的で新鮮味はない。 アクションシーンの見せ場には血生臭さが水を差し、物語の穴は埋まらないまま放置される。 語り手:覗き見猫映画にはまって40数年。近頃、めっきり視力が衰えてきましたが、字幕を追う集中力はまだまだ大丈夫です。好きなジャンルは? 人間ドラマ…面白くない半端な回答…甘い青春映画も大好きです。 97% 観たい! (33)検討する (1) 語り手:覗き見猫映画にはまって40数年。近頃、めっきり視力が衰えてきましたが、字幕を追う集中力はまだまだ大丈夫です。好きなジャンルは? 人間ドラマ…面白くない半端な回答…甘い青春映画も大好きです。 2023年11月29日 / 私はモーリーン・カーニー 正義を殺すのは誰? 権力と闘う信念の女性の生き様で描く政治映画 2023年11月28日 / 私はモーリーン・カーニー 正義を殺すのは誰? モーリーンさんと権力側との闘いを描いた実話の社会派映画 2023年11月27日 / 燃えよドラゴン 劇場公開版4Kリマスター 私が人生の座右の銘にしている映画、『燃えよドラゴン』 more 2022年05月25日 / シアターキノ(北海道) 上映作品を選ぶにも妥協は許さない…北の都の映画館。 2019年09月04日 / 洲本オリオン(兵庫県) 瀬戸内海にある島に唯一残る映画館で映画を観る楽しみ 2023年06月21日 / PLANET + 1(大阪府) 16mmフィルムに収められた名作を現代に甦らせる。 more
期待を裏切る定番のオンパレード
江戸時代を再現したテーマパーク "江戸村" にあるステージでは、剣術ショーが行われている。楽屋では出演者たちが衣装に着替えたり、段取りの打ち合わせをしたりと忙しい。
そんな中、立石(ディーン・フジオカ)はひとり鏡に向かい化粧=メイクをほどこしている。
ショーが始まる。立石は出演者ではなく、殺陣に合わせて効果音を発生させるスイッチャーを担当している。孤立すら感じさせる彼は、アメリカでのスタント経験はあったが、入団まもない新入りの立場。そしてもうひとつ、激しいスタント=殺陣はできない事情があった。同僚たちは馴染まない立石を快く思っておらず、噂は誤解を生んだ。
江戸村のある町は、日本の何処かにあるかしれない典型的な過疎地域で、復興の手立てとして、温泉の活用による観光化という方法を模索していた。
施設建設のための土地の買上が進んでいるが、ひとり隆三(渡辺哲)だけが、土地の売却を拒否している。
隆三の孫娘で高校生のアユミ(蒔田彩珠)は、そんな頑固な祖父の説得を、アルバイト先の客でもあるヤクザもののブローカーにしつこく迫られていた。
『Pure Japanese』は、主役を演じるディーン・フジオカが自ら企画、プロデュースを務めている。彼は1980年福島県生まれ。高校卒業後、アメリカ・シアトルのカレッジに留学経験を持つ。卒業後もアジアの国々をめぐり、2004年、香港でモデル活動を始めたのを皮切りに、台湾での俳優活動でブレイクした。2013年に日本映画で凱旋出演を果たすが、なんと言っても、2016年のNHKの朝ドラ「あさが来た」の五代友厚役で、一躍全国区となり現在に至る。
外国生活を永く体験し、外側から日本を見る目を持ったからこその視点を期待したのだが…。
まず、先にふれた、過疎の町、再開発、反対住民、地上げ屋のヤクザもの、と言った構図はよく見かけるもの。それに裏で糸を引く政治家の存在あり、となればアイテムのフル装備となる。
また、三島由紀夫を持ち出すまでもなく、日本人=武士道という精神性も、教科書的で新鮮味はない。
アクションシーンの見せ場には血生臭さが水を差し、物語の穴は埋まらないまま放置される。
語り手:覗き見猫
映画にはまって40数年。近頃、めっきり視力が衰えてきましたが、字幕を追う集中力はまだまだ大丈夫です。好きなジャンルは? 人間ドラマ…面白くない半端な回答…甘い青春映画も大好きです。
語り手:覗き見猫
映画にはまって40数年。近頃、めっきり視力が衰えてきましたが、字幕を追う集中力はまだまだ大丈夫です。好きなジャンルは? 人間ドラマ…面白くない半端な回答…甘い青春映画も大好きです。