岐阜新聞 映画部

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セリーヌ・ディオンをリスペクトした、大迫力の音楽映画

2022年02月15日

ヴォイス・オブ・ラブ

©Rectangle Productions/Gaumont/TF1 Films Production/De l'huile/Pcf Aline Le Film Inc./Belga

【出演】ヴァレリー・ルメルシエ、シルヴァン・マルセル、ダニエル・フィショウ、ロック・ラフォーチュン、アントワーヌ・ヴェジナ ほか
【監督・脚本】ヴァレリー・ルメルシエ

シンデレラストーリーと比類なき歌声を、見事に再現

『美女と野獣』(1992)と『マイ・ハート・ウィル・ゴー・オン(タイタニック)』(1998)のアカデミー賞受賞歌手であるセリーヌ・ディオンは、1968年カナダ・ケベック州(フランス語圏)生まれの53歳。日本では天海祐希や原田知世らと同世代だ。

彼女は14人兄弟姉妹の末っ子で決して裕福な家庭ではなかったが、近くに住む26年上の音楽プロデューサーに年少の頃からその類まれなる才能を見いだされ、二人三脚でトップランナーに昇りつめていった。やがて二人は年の差を乗り越え、おしどり夫婦として結ばれ、お互いを支え合っていく。

この絵にかいたようなシンデレラストーリーと比類なき歌声に魅了されたうちの一人が、フランスの女優ヴァレリー・ルメルシエだ。

本作は、セリーヌ・ディオンに魅せられた4歳年上(1964年生)のルメルシエが、脚本・監督・主演の三役をこなした、ディオン好き好きオーラ全開のワンマン音楽映画である。

2022年5月からのヨーロッパツアーも控える現役バリバリのスターを描くのに、実名の自伝的半生にしたら許可が得られなかったのだろう。劇中で歌われる曲は、すべてセリーヌ・ディオンの曲(歌っているのはフランスの若手歌手ヴィクトリア・シオ)だが、役名はアリーヌ・デューに変えられている。これでディオンの半生を勝手に脚色しても、リスペクトしているだけと言えるわけだ。

私も洋楽に疎いといっても、さすがにセリーヌ・ディオンは知っていた。ただ彼女の半生は知る由もなく、冒頭の知ったかぶりの記述は、この映画と、後から調べたネットでの補足である。

映画は、彼女の不安や孤独、大恋愛の末の結婚など「波乱万丈の人生」を通り一遍に描いていくだけで、深みにかける。

しかし歌う姿のセリーヌ・ディオン、大迫力のステージの再現が素晴らしく、劇場はコンサート会場の様だ。音楽映画としてだけとれば、素晴らしいのだ。

語り手:ドラゴン美多

中学三年の時に見た「日本沈没」「燃えよドラゴン」のあまりの面白さから映画の虜になって四十数年、今も映画から夢と希望と勇気をもらっている、ファッションチェックに忙しい中年のおっさんです。

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語り手:ドラゴン美多

中学三年の時に見た「日本沈没」「燃えよドラゴン」のあまりの面白から映画の虜になって四十数年、今も映画から夢と希望と勇気をもらっている、ファッションチェックに忙しい中年のおっさんです。

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