私好みに反発したり納得させられたり

漠然と…SFとは？

科学が進んだ未来、あるいは遠い宇宙などを舞台にした空想世界を描く、小説、映画など。

だから、SF映画といっても様々ある。例えば『DUNE デューン 砂の惑星』は、西暦1万190年を舞台としている。『スターウォーズ』のあの有名なオープニングの序文には「遠い昔、遥か彼方の銀河では…」とあり、遠い昔は、ひっくり返せば遠い未来のことで、遥か彼方の宇宙を想定している。

『アイム・ユア・マン 恋人はアンドロイド』には短編小説の原作があって、そこからは「女性がロボットに出会う」という簡単なプロットを採用しているという。ガール・ミーツ・ボーイではなく、ガール・ミーツ・ロボットボーイの話。

脚本化の初期段階では、未来を舞台にすることも考えたという。しかし、映画は "今" のベルリンが舞台に採用された。

ベルリンのベルガモン博物館で、楔形文字の研究をしている学者のアルマ(マレン・エッゲルト)は、学会で発表する予定の研究に追われている。少し前、研究資金のオファーが "テラレカ社" からあった。それは社が極秘に行う "理想の伴侶" 実証実験に参加することが条件になっていた。

テラレカ社の相談員(サンドラ・ヒュラー)の案内で見合い場所に向かったアルマの前に現れたのは、紺碧の瞳のハンサムなトム(ダン・スティーブンス)だった。

トムは外見は人間と見分けがつかないほどリアルだが、インプットされた高性能AIには、全ドイツ人女性1700万人のデータからアルマの好みを厳選抽出したプロムラミングが施されていた。

昨今、日本では "マッチングアプリ" なるものが、出会いのツールとして有効性を高めているという。理想のパートナー探しとは？

恋愛には妥協することや、擦り合わせが必要となることばかりで、自分の描いた理想や思いはままならないことが多い。そこに感情や対応を完璧にコントロールしてくれる相手がいれば、それはアンドロイドでも…。コメディとさえ思えるこの物語。どう読み解くか？ 挑戦的な問いかけが込められている。