岐阜新聞 映画部

いま、どこかで出会える作品たち

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みんなで考え、みんなで作る2050年。今からでも遅くない。

2022年02月01日

マイクロプラスチック・ストーリー ~ぼくらが作る2050年~

©Sacha Bollet / Fondation Tara Ocean

【監督・プロデューサー】佐竹敦子、デビーリー・コーヘン

マイクロプラスチック汚染。出来ることから始めよう。

私の地元・蒲郡でロケされた映画『空白』(2021)で、最強おばさん・麻子(寺島しのぶ)がボランティアで海岸清掃をやっていたのは、三谷温泉前の星越海岸。映画のように蒲郡では、ボランティアらが砂浜に漂着した流木やプラスチックゴミなどを拾い集めている。

私も海洋ゴミの問題に関心はあったが、土日は映画を観るのに忙しく、半ば他人ごとで済ませてきた。が本作を見ると相当深刻な事態になっていることが、ニューヨークの小学5年生の取り組みを通じてダイレクトに伝わってきた。恐ろしいことになっている。

このドキュメンタリーは、人種も出身階層も違う多種多様な子どもたちが通う公立小学校の活動に密着していく。みんな自分の意志を明確に、意見もはっきり言い、それが行動に結びついていく。子どもたちの「アクションを起こさないと!」という明快な意思表示に対し、担任の先生を筆頭に学校全体で応援していく様子が見て取れる。

映画は、子どもたちによる海岸での現況視察から始まって、何故プラゴミが海岸へ漂着するかの科学的考察、ゴミを減らすために自分たちで出来ることの提案と実行、さらにはニューヨーク市議会での調査公表や世の中への訴えまで追っていく。

ニューヨーク市議会も市長も真摯にそれを受け止め、2020年からは、発泡スチロール製容器やプラスチック製買い物袋の使用禁止が始まっている。

このままいったら2050年に海の中のプラスチックの総重量が魚の総重量を超えるというデータも衝撃的だが、汚水と雨水が一緒に流れる合流式下水道だと、雨天時に未処理の状態で海に流れてしまうことは知らなかった。

また化学繊維が含まれた衣類の繊維くずが、洗濯水と一緒にマイクロファイバーとして海へ放出されてしまい汚染に繋がることは初めて知った。

みんなで考え、みんなで作る2050年。今からでも遅くない。

私も出来ることから始めようと思う。

語り手:ドラゴン美多

中学三年の時に見た「日本沈没」「燃えよドラゴン」のあまりの面白さから映画の虜になって四十数年、今も映画から夢と希望と勇気をもらっている、ファッションチェックに忙しい中年のおっさんです。

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語り手:ドラゴン美多

中学三年の時に見た「日本沈没」「燃えよドラゴン」のあまりの面白から映画の虜になって四十数年、今も映画から夢と希望と勇気をもらっている、ファッションチェックに忙しい中年のおっさんです。

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