岐阜新聞映画部映画館で見つけた作品ローラとふたりの兄 B! ちょっと面倒でも何故か愛おしい兄妹の物語 2022年01月17日 ローラとふたりの兄 © 2018 NOLITA CINEMA - LES FILMS DU MONSIEUR - TF1 DROITS AUDIOVISUELS - FRANCE 2 CINEMA 【出演】リュディヴィーヌ・サニエ、ジョゼ・ガルシア、ジャン=ポール・ルーヴ、ラムジー・べディア、ポーリーヌ・クレマン 【監督】ジャン=ポール・ルーヴ どこにでもありそうで反発したり共感したり フランス映画には家族を描いたものが少なくない。点在してばらばらになった親族が、何かをきっかけに集まる。それは誰かの結婚式であったり、お祝いをするものだったり、反対にお別れの時であったりする。 『ローラとふたりの兄』も、家族=兄妹が結婚式に集うところから物語がはじまる。 場所はフランス西部の町・アングレーム。古代から知られる静かな古都、どこにでもある地方都市。 弁護士のローラ(リュディヴィーヌ・サニエ)には2人の兄がいる。 次男のピエール(ジョゼ・ガルシア)は、解体業を営む職人気質で不器用な性格。 長男のブノワ(ジャン=ポール・ルーヴ)は、眼鏡士で細かいことが気になって仕方ない神経質な男。 兄妹は死別した両親の墓参りのため、月に一度、集まることが習慣となっていたが、ローラにとって兄たちは、年長でも気におけない困った存在だった。 その日は、ブノワの "3度目" 結婚式。こともあろうにピエールは大遅刻したあげく、スピーチで失言し、ブノワの怒りを買うことになる。そしてはじまる兄弟喧嘩。 喧嘩するほど仲が良い…とはフランスでも通用する諺なのだろうか? 派手に言葉がぶつかり合う、フランス人らしい(?)喧嘩の後、気まずい時間がおとずれるのはどこでも同じ。後を引く湧きあがる忸怩たる思い。 兄妹にはそれぞれの暮らしがある。 ピエールは仕事上の深刻なトラブルに悩まされて。 ブノワは新婚早々のすれ違いで悶々としている。 ローラは離婚調停で知り合ったゾエール(ラムジー・ベディア)との恋が始まった途端、思わぬ "告白"をされて…。 監督は長男を演じているジャン=ポール・ルーヴで、本作が4作目(『愛しき人生のつくりかた』2014年、日本公開は2016年で2本目)となる。フランス社会の所謂 "プチ・ブル(中産階級)" の生活感あるれる風景をユーモアと皮肉を込めて描いている。 ちょっと反発、でも身につまされる好編である。 語り手:覗き見猫映画にはまって40数年。近頃、めっきり視力が衰えてきましたが、字幕を追う集中力はまだまだ大丈夫です。好きなジャンルは? 人間ドラマ…面白くない半端な回答…甘い青春映画も大好きです。 100% 観たい! (8)検討する (0) 語り手:覗き見猫映画にはまって40数年。近頃、めっきり視力が衰えてきましたが、字幕を追う集中力はまだまだ大丈夫です。好きなジャンルは? 人間ドラマ…面白くない半端な回答…甘い青春映画も大好きです。 2024年09月26日 / どら平太 日本映画黄金時代を彷彿とさせる盛りだくさんの時代劇 2024年09月26日 / 潜水艦コマンダンテ 誇り高き決断 助けを求める人はもはや敵ではなく、ただの人間だ 2024年09月26日 / 潜水艦コマンダンテ 誇り高き決断 海の男たちが下す決断を描くヒューマンドラマ more 2018年06月20日 / CINEMA e-ra(静岡県) 映画を文化として守りたい…という民意に支えられて 2024年07月24日 / THEATER ENYA(佐賀県) 歴史と文化の城下町に市民の声で復活した映画館。 2021年06月09日 / 【思い出の映画館】かもめ座(神奈川県) 戦後の港町横浜で湾岸労働者たちに愛された二番館 more
どこにでもありそうで反発したり共感したり
フランス映画には家族を描いたものが少なくない。点在してばらばらになった親族が、何かをきっかけに集まる。それは誰かの結婚式であったり、お祝いをするものだったり、反対にお別れの時であったりする。
『ローラとふたりの兄』も、家族=兄妹が結婚式に集うところから物語がはじまる。
場所はフランス西部の町・アングレーム。古代から知られる静かな古都、どこにでもある地方都市。
弁護士のローラ(リュディヴィーヌ・サニエ)には2人の兄がいる。
次男のピエール(ジョゼ・ガルシア)は、解体業を営む職人気質で不器用な性格。
長男のブノワ(ジャン=ポール・ルーヴ)は、眼鏡士で細かいことが気になって仕方ない神経質な男。
兄妹は死別した両親の墓参りのため、月に一度、集まることが習慣となっていたが、ローラにとって兄たちは、年長でも気におけない困った存在だった。
その日は、ブノワの "3度目" 結婚式。こともあろうにピエールは大遅刻したあげく、スピーチで失言し、ブノワの怒りを買うことになる。そしてはじまる兄弟喧嘩。
喧嘩するほど仲が良い…とはフランスでも通用する諺なのだろうか? 派手に言葉がぶつかり合う、フランス人らしい(?)喧嘩の後、気まずい時間がおとずれるのはどこでも同じ。後を引く湧きあがる忸怩たる思い。
兄妹にはそれぞれの暮らしがある。
ピエールは仕事上の深刻なトラブルに悩まされて。
ブノワは新婚早々のすれ違いで悶々としている。
ローラは離婚調停で知り合ったゾエール(ラムジー・ベディア)との恋が始まった途端、思わぬ "告白"をされて…。
監督は長男を演じているジャン=ポール・ルーヴで、本作が4作目(『愛しき人生のつくりかた』2014年、日本公開は2016年で2本目)となる。フランス社会の所謂 "プチ・ブル(中産階級)" の生活感あるれる風景をユーモアと皮肉を込めて描いている。
ちょっと反発、でも身につまされる好編である。
語り手:覗き見猫
映画にはまって40数年。近頃、めっきり視力が衰えてきましたが、字幕を追う集中力はまだまだ大丈夫です。好きなジャンルは? 人間ドラマ…面白くない半端な回答…甘い青春映画も大好きです。
語り手:覗き見猫
映画にはまって40数年。近頃、めっきり視力が衰えてきましたが、字幕を追う集中力はまだまだ大丈夫です。好きなジャンルは? 人間ドラマ…面白くない半端な回答…甘い青春映画も大好きです。