岐阜新聞 映画部

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個性的な科学研究員が活躍する定番ミステリー

2021年11月16日

科捜研の女 -劇場版-

©2021「科捜研の女 -劇場版-」製作委員会

【出演】沢口靖子、内藤剛志、佐々木蔵之介、若村麻由美、風間トオル、渡辺いっけい、小野武彦、戸田菜穂、金田明夫、佐津川愛美
【監督】兼﨑涼介

マリコの圧倒的な存在感は安心安定の域

テレビドラマ版は1999年10月、「木曜ミステリー」(テレビ朝日系)の枠として始まった。途中、「新・科捜研の女』と装いを新たにしたが、現在、放映されているのはシーズン21となり、長寿人気番組となっている。クール枠以外にもスペシャルドラマ版があり、今回の映画化が初めてというのは、ちょっと意外なくらいだった。

舞台となるのは京都府警の科学捜査所で、法医研究員である榊マリコ(沢口靖子)を主人公にしている。

映画は京都・洛北医科大学で女性教授が転落死する事件から始まる。

まず、蘊蓄をひとつ…"科捜研" は、警視庁及び、都道府県警察の刑事部に設置された附属機関だが、そこに所属する研究員は警察官ではなく、捜査権を有しないあくまでも研究員である。

犯行現場などで遺留物=指紋、ゲソコン(足跡)、血痕、毛髪、体液、皮膚片、服の繊維など採取し捜査に加わるのは、警察の鑑識課であり、科捜研はあくまでも、鑑識では解明できないものを再鑑定する補助を担う。

近年、刑事捜査に科学捜査を導入することが検討されてはいるが、映画のように科捜研の研究が捜査に加わることはない。

殺人事件の鑑定をマリコたち科捜研のメンバーがすすめる。昔の刑事ものでは指紋や血液反応がせいぜいだったが、現代では科学的な進歩に伴い、様々な手法が確立されている。その鑑定の様子がノウハウものよろしく紹介されてる。

女性教授転落死事件の鑑定からは、事件性=殺人につながるような証拠は見つからず、事件は自殺として処理されようとしていた…その時、国内外で同様の転落死事案が発生したことから、京都府警は再調査に乗り出すことになる。

本シリーズの特徴は、キャラクター設定で、マリコを中心に、かなり個性的で、アクの強さだけでなく、独特のボケ味も存在するから、初見の方は戸惑うかもしれない。

肩肘張らずに、時には映画に突っ込みを入れたり、ご自由に楽しんでいただける定番ではある。

語り手:覗き見猫

映画にはまって40数年。近頃、めっきり視力が衰えてきましたが、字幕を追う集中力はまだまだ大丈夫です。好きなジャンルは? 人間ドラマ…面白くない半端な回答…甘い青春映画も大好きです。

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語り手:覗き見猫

映画にはまって40数年。近頃、めっきり視力が衰えてきましたが、字幕を追う集中力はまだまだ大丈夫です。好きなジャンルは? 人間ドラマ…面白くない半端な回答…甘い青春映画も大好きです。

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