岐阜新聞 映画部

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悪党の危険で壮大な野望を阻止!クレイグ版ボンドの最終章

2021年10月11日

007/ノー・タイム・トゥ・ダイ

© Danjaq, LLC and Metro-Goldwyn-Mayer Studios Inc..All Rights Reserved.

【出演】ダニエル・クレイグ、レイフ・ファインズ、ナオミ・ハリス、レア・セドゥ、ベン・ウィショー、ジェフリー・ライト、アナ・デ・アルマス、ラシャーナ・リンチ、ラミ・マレック ほか
【監督】キャリー・ジョージ・フクナガ

陸海空に渡るアクション、手に汗握るとはこのことだ

私が最初に映画館で観た007は『黄金銃を持つ男』(1974)。有名なオープニングからワクワクし、美しきボンドガールと魅力的な悪役には圧倒された。当時007はジャンル映画の頂点を極めていた。

しかし東西冷戦終結後のシリーズは20世紀のアナクロアクションにしかみえず、しばらくは惰性で付き合っていた。

その旧弊を打ち破り、ものの見事に復活再生したのが『カジノ・ロワイヤル』(2006)だ。新ジェームズ・ボンドに抜擢されたのはダニエル・クレイグ。金髪碧眼で低身長という今までになかった汗の臭いのするボンドであった。

その後もシリーズ最高傑作『スカイフォール』(2012)をはじめ水準の高い作品が続いていたが、クレイグ・ボンドは5作品目の本作で終了とあいなった。

まずは『ノー・タイム・トゥ・ダイ』を、シネコンでなく、街中の映画館CINEXで見られたのが嬉しい。高校生の頃、豊橋スカラ座の平面の座席から見上げるように見た007を思い出し、あの頃の映画体験が蘇ってきた。

ストーリーは、悪党の「人類を淘汰すれば世界はより良い場所になる」という危険で壮大な野望を、ボンドが阻止するというトラディショナルな内容だ。陸海空に渡るアクションシーンも素晴らしく、「手に汗握るとはこのことだ」とばかりハラハラドキドキさせてくれる。

昔のシリーズにあったような、女性を性的対象としかみてないシーンも今はなく、配慮が行き届いた007となっている。

今の時代に合ったボンド映画でおおむね面白かったのだが、とにかく長い!ボンドの人間味を丁寧に描くのはいいとしても、私には少々まだるっこしかった。

そして悪役サフィンの野望の動機がチョト弱い。DNAを解析して特定の人のみを殺害する細菌兵器はまさにタイムリーだが、歴代の悪党に比べると物足りなさを感ずる。

しかし若干の文句はあれど、面白いかったことに間違いはない。

語り手:ドラゴン美多

中学三年の時に見た「日本沈没」「燃えよドラゴン」のあまりの面白さから映画の虜になって四十数年、今も映画から夢と希望と勇気をもらっている、ファッションチェックに忙しい中年のおっさんです。

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語り手:ドラゴン美多

中学三年の時に見た「日本沈没」「燃えよドラゴン」のあまりの面白から映画の虜になって四十数年、今も映画から夢と希望と勇気をもらっている、ファッションチェックに忙しい中年のおっさんです。

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