斬新で圧倒的なビジュアルと音楽のライヴ映画
2021年09月01日
アメリカン・ユートピア
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【出演】デイヴィッド・バーン、ジャクリーン・アセヴェド、グスタヴォ・ディ・ダルヴァ、ダニエル・フリードマン、クリス・ジャルモ、ティム・ケイパー、テンダイ・クンバ、カール・マンスフィールド、マウロ・レフォスコ、ステファン・サンフアン、アンジー・スワン、ボビー・ウーテン・3世
【監督】スパイク・リー
カッコよくて、楽しくて、ワクワクしてくる
数はそんなに多くは無いが、私もライヴやショウやコンサートはそれなりに見てきたつもりだ。そこに今まで見たことがなかったような、斬新で圧倒的なビジュアルと音楽のライヴ映画が登場した。
黒人差別を中心に、常にアグレッシブで強烈なメッセージを発信し続けるスパイク・リーの最新作『アメリカン・ユートピア』は、デイヴィッド・バーンと11人で繰り広げられるブロードウェイの伝説のショウを、絶妙な俯瞰ショットを含む流麗なカメラワークと見事な編集で捉えた、楽しくて感動的なライヴ映画である。
舞台の上はスタンドマイクどころか配線も一切なく、楽器を持ったパフォーマーのみ。極限までシンプルにしたステージは、彼らのパフォーマンスのみに集中できる仕掛けだ。
揃いのグレーのスーツに裸足の彼らは、ステージを自由自在に駆け回りながら、歌と演奏とダンスを凄い熱量で披露する。
彼らの身に着けているステージ衣裳はみんな同じでも、人種も性別も多種多様、個性はみんな違うのだとかえって浮かび上がってくる。
歌の合間にはさまれる、デイヴィッド・バーンの語りはショウへの道しるべだ。選挙の重要性やコミュニケーション、人種問題などエッジの利いたトークは、いささかも飽きることなく、さらにショウを盛り上げていく。
圧倒的なのは、ジャネール・モネイの「Hell You Talmbout」を歌うシーン。次々と犠牲者の写真と共に名前が連呼され、アフロビートが激しく打ち鳴らされる。「その名前を言え!」と繰り返されるステージは、圧巻の一言に尽きる。
最後はパフォーマーたちが会場内を練り歩き、自転車に乗ってニューヨークの町を駆け抜けていく。
なんとカッコよくて、楽しくて、ワクワクしてくる映画なのだ。”アメリカン・ユートピア”とは、いったいなんであるのか?ヒントがいっぱい散りばめられた、願いが込められた素晴らしいライヴ映画である。
語り手:ドラゴン美多
中学三年の時に見た「日本沈没」「燃えよドラゴン」のあまりの面白さから映画の虜になって四十数年、今も映画から夢と希望と勇気をもらっている、ファッションチェックに忙しい中年のおっさんです。
語り手:ドラゴン美多
中学三年の時に見た「日本沈没」「燃えよドラゴン」のあまりの面白から映画の虜になって四十数年、今も映画から夢と希望と勇気をもらっている、ファッションチェックに忙しい中年のおっさんです。