岐阜新聞映画部映画館で見つけた作品椿の庭 B! 写真家・上田義彦の初監督映画 2021年07月21日 椿の庭 ©2020 “A Garden of Camellias” Film Partners 【出演】富司純子、シム・ウンギョン、田辺誠一、清水綋治、チャン・チェン、鈴木京香 【監督・脚本・撮影】上田義彦 椿が咲き誇る高台の古い一軒家の記憶 写真家・上田義彦は、1957年兵庫県に生まれた。79年、ビジュアルアーツ専門学校を卒業後、早くも82年に独立し、化粧品、飲料、自動車、通信、アパレルと、幅広い業種にわたる大手の企業広告を手がけ、国内外の賞を多数受賞している。素材をピックアップすれば、これもそうだったのか、というくらいの作品につき当たる。 また、アート作品では、ネイティブアメリカン、日本の著名人といった、ポートレイトものから、フランク・ロイド・ライトの建築物を撮った写真集を発表している。2006年には自らの家族を13年に渡り撮り続けた「at Home」を出版した。妻はファッションモデルとして出会った桐島かれんで、4児の子宝にも恵まれた。かれんの弟ローランドもモデルから転じた写真家である。 映画『椿の庭』は写真家・上田義彦の初めての監督作品であり、脚本、撮影、編集も担当している。 映画のはじまりは、上田がかつて暮らした家の記憶にある。和洋折衷の古いその家の庭には、"乙女椿"が植えられ、4月になると見事な花が咲き誇った。また、ある日、近所にあった庭木のある古い家が解体される様子を目にする。家とともに壊される庭、その喪失のイメージが"物語"として書き継がれた。 庭に椿が咲き誇る高台にある古い一軒家。絹子(富司純子)は、長年連れ添った夫を亡くし、四十九日を終えたばかり。そんな絹子を気遣い、孫の渚(シム・ウンギョン)が一緒に暮らしている。静かな日常。 家にやって来る訪問者。娘の陶子(鈴木京香)、旧友の幸三(清水紘治)、甦る記憶は常に家とともにある。そんな穏やかな時間に家の売却という試練が忍び寄る。 写真家らしい切り取られた映像感覚は独特で、鮮烈な生命感あふれる"絵力"はさすがと思わせる。ただ、観念的なイメージが先行する物語は淡白な印象なのが惜しい。 語り手:覗き見猫映画にはまって40数年。近頃、めっきり視力が衰えてきましたが、字幕を追う集中力はまだまだ大丈夫です。好きなジャンルは? 人間ドラマ…面白くない半端な回答…甘い青春映画も大好きです。 100% 観たい! (11)検討する (0) 語り手:覗き見猫映画にはまって40数年。近頃、めっきり視力が衰えてきましたが、字幕を追う集中力はまだまだ大丈夫です。好きなジャンルは? 人間ドラマ…面白くない半端な回答…甘い青春映画も大好きです。 2024年04月24日 / ピアノ・レッスン 4Kデジタルリマスター 4Kで甦る 憎悪の泥に塗れた官能的な愛の物語 2024年04月24日 / ピアノ・レッスン 4Kデジタルリマスター ジェーン・カンピオン監督の最高傑作、完璧な作品 2024年04月24日 / RED SHOES/レッド・シューズ オーストラリア発バレエ舞台の成長物語 more 2022年11月23日 / 新世界東映(大阪府) エネルギッシュな歓楽街で硬派な日本映画を堪能。 2024年02月28日 / jig theater(鳥取県) 池を見下ろす高台に建つ閉校した小学校にあるミニシアター。 2020年04月15日 / シネマトーラス(北海道) 流浪の映画青年が作り上げた北の映画館 more
椿が咲き誇る高台の古い一軒家の記憶
写真家・上田義彦は、1957年兵庫県に生まれた。79年、ビジュアルアーツ専門学校を卒業後、早くも82年に独立し、化粧品、飲料、自動車、通信、アパレルと、幅広い業種にわたる大手の企業広告を手がけ、国内外の賞を多数受賞している。素材をピックアップすれば、これもそうだったのか、というくらいの作品につき当たる。
また、アート作品では、ネイティブアメリカン、日本の著名人といった、ポートレイトものから、フランク・ロイド・ライトの建築物を撮った写真集を発表している。2006年には自らの家族を13年に渡り撮り続けた「at Home」を出版した。妻はファッションモデルとして出会った桐島かれんで、4児の子宝にも恵まれた。かれんの弟ローランドもモデルから転じた写真家である。
映画『椿の庭』は写真家・上田義彦の初めての監督作品であり、脚本、撮影、編集も担当している。
映画のはじまりは、上田がかつて暮らした家の記憶にある。和洋折衷の古いその家の庭には、"乙女椿"が植えられ、4月になると見事な花が咲き誇った。また、ある日、近所にあった庭木のある古い家が解体される様子を目にする。家とともに壊される庭、その喪失のイメージが"物語"として書き継がれた。
庭に椿が咲き誇る高台にある古い一軒家。絹子(富司純子)は、長年連れ添った夫を亡くし、四十九日を終えたばかり。そんな絹子を気遣い、孫の渚(シム・ウンギョン)が一緒に暮らしている。静かな日常。
家にやって来る訪問者。娘の陶子(鈴木京香)、旧友の幸三(清水紘治)、甦る記憶は常に家とともにある。そんな穏やかな時間に家の売却という試練が忍び寄る。
写真家らしい切り取られた映像感覚は独特で、鮮烈な生命感あふれる"絵力"はさすがと思わせる。ただ、観念的なイメージが先行する物語は淡白な印象なのが惜しい。
語り手:覗き見猫
映画にはまって40数年。近頃、めっきり視力が衰えてきましたが、字幕を追う集中力はまだまだ大丈夫です。好きなジャンルは? 人間ドラマ…面白くない半端な回答…甘い青春映画も大好きです。
語り手:覗き見猫
映画にはまって40数年。近頃、めっきり視力が衰えてきましたが、字幕を追う集中力はまだまだ大丈夫です。好きなジャンルは? 人間ドラマ…面白くない半端な回答…甘い青春映画も大好きです。