岐阜新聞 映画部

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テスラは天才か?マッドサイエンティストか?生涯を追った映画

2021年05月25日

テスラ エジソンが恐れた天才

© Nikola Productions, Inc. 2020

【出演】イーサン・ホーク、カイル・マクラクラン
【監督・脚本・製作】マイケル・アルメレイダ

斬新すぎた「世界システム」構想。100年早かった?

『エジソンズ・ゲーム』(2020年)の映画評で、私は「電流戦争に勝ったテスラにこそ、スポットを当てて欲しかった」と感想を記した。

本作はその天才にて変人のニコラス・テスラ(イーサン・ホーク狂演)の生涯にスポットを当てた作品で、私の興味をズバリ満たした内容だった。

彼が有史以来の最も偉大な発明家の1人であったにも関わらず、何故有力なパトロン達(ウェスティングハウスやJ・P・モルガン等)から見放され没落してしまったのか?何故マッドサイエンティストとして扱われ、陰謀論者や都市伝説マニアから信奉されているのか?

そういった疑問を、テスラの理解者で懇意にしていたモルガンの娘アン(イヴ・ヒューソン)が、PCを使って検索しながらエピソードを語っていく。PCは彼女が生きていた時代にはまだ存在しないし、背景には書き割りが多用される等、映画内リアルを無視した手法で彼の心情を表していく。

こういった野心的な表現が必ずしも全面的に成功しているとは言い難いが、人生のダイジェスト版や単なる偉人伝に見えないところは、上手く行っている。

奇人変人を、誰でも発達障害に結びつけるわけではないが、テスラはアスペルガー症候群であったと言われている。

数年前「東大生の25%は発達障害の疑いがある」と元東大院生がツイートしたのが話題になったが、天才的なひらめきや理解力・分析力とコミュニケーション能力は、全く別の次元なのだ。

テスラは無線による電力の送電システムと情報の伝達システムとを併せた「世界システム」構想に没頭していくが、「火星と交信できる」などの言動から、出資者は次第に離れていく。

エジソン(カイル・マクラクラン)が、交流つぶしのために世界初の電気椅子による死刑執行に協力するシーンや、不誠実で金に汚い部分もしっかり描かれおり、こちらも立派な発達障害だ。

天才は奇人変人?、いや発達障害なのだ。

語り手:ドラゴン美多

中学三年の時に見た「日本沈没」「燃えよドラゴン」のあまりの面白さから映画の虜になって四十数年、今も映画から夢と希望と勇気をもらっている、ファッションチェックに忙しい中年のおっさんです。

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語り手:ドラゴン美多

中学三年の時に見た「日本沈没」「燃えよドラゴン」のあまりの面白から映画の虜になって四十数年、今も映画から夢と希望と勇気をもらっている、ファッションチェックに忙しい中年のおっさんです。

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