岐阜新聞映画部映画館で見つけた作品ラスト・フル・メジャー 知られざる英雄の真実 B! 戦いの陰に埋もれた真実を暴く社会派映画 2021年03月30日 ラスト・フル・メジャー 知られざる英雄の真実 © 2019 LFM DISTRIBUTION, LLC 【出演】セバスチャン・スタン、クリストファー・プラマー、ウィリアム・ハート、エド・ハリス、サミュエル・L・ジャクソン、ピーター・フォンダ、ジェレミー・アーヴァイン、ダイアン・ラッド、エイミー・マディガン、アリソン・スドル、ジョン・サヴェージ、ライナス・ローチ 【監督・脚本】トッド・ロビンソン 名優たちが存在感が映画を支える ベトナム戦争を考える時、そのはじまりはいつだったかを確定するのは悩ましい。 そもそもベトナム戦争は、独立戦争に便乗し、傀儡した外国による、代理戦争の意味が強く、そのことで複雑化し、戦いを長引かせたと言われている。アメリカは深く関わった代表的な国のひとつだが、その介入の大義も時期も曖昧になってしまっている。 南北分断で戦われた戦争は、1975年4月30日、南の首都サイゴンが事実上陥落したことを持って一応の集結をみた。 ベトナム戦争に関する映画は、その真っ只中であった60年代にドキュメンタリーとして発生するが、その多くは反戦の意図を持って描かれたものが多い。 アメリカ映画では1968年に公開された『グリーン・ベレー』があるが、これは戦時下にあったアメリカ政府の意向に沿った"プロパガンダ映画"と評価されている。 アメリカでベトナム戦争を題材にした劇映画が、一気に噴出するのは70年代後半になってからのことだった。 『ラスト・フル・メジャー 知られざる英雄の真実』は、ベトナム戦争に従軍した、実在のある兵士に関わる謎を追った映画である。 1999年、ペンタゴン空軍省のハフマン(セバスチャン・スタン)は、30年にわたり請願されているある兵士の名誉勲章授与の調査を始める。 1966年、ベトナム戦時下、空軍の落下傘部隊の兵士ピッツェンバーガー(ジェレミー・アーヴァイン)は、敵兵の奇襲を受け、孤立状態の陸軍中隊救出の任務に向かうが、負傷兵たちの救出中、銃弾に倒れてしまう。 終戦後、近親者たちによって申請された名誉勲章授与の申請は、何故か却下され続けていた。ハフマンも退役軍人たちの証言を集めるうち、彼の勇気ある行動に心を動かされるのだが…。 所謂、"後遺症もの"に分類される映画だが、生き残ったものたちの、癒えることなき心の痛みをあらためて痛感させられる社会派である。 語り手:覗き見猫映画にはまって40数年。近頃、めっきり視力が衰えてきましたが、字幕を追う集中力はまだまだ大丈夫です。好きなジャンルは? 人間ドラマ…面白くない半端な回答…甘い青春映画も大好きです。 100% 観たい! (11)検討する (0) 語り手:覗き見猫映画にはまって40数年。近頃、めっきり視力が衰えてきましたが、字幕を追う集中力はまだまだ大丈夫です。好きなジャンルは? 人間ドラマ…面白くない半端な回答…甘い青春映画も大好きです。 2023年11月29日 / 私はモーリーン・カーニー 正義を殺すのは誰? 権力と闘う信念の女性の生き様で描く政治映画 2023年11月28日 / 私はモーリーン・カーニー 正義を殺すのは誰? モーリーンさんと権力側との闘いを描いた実話の社会派映画 2023年11月27日 / 燃えよドラゴン 劇場公開版4Kリマスター 私が人生の座右の銘にしている映画、『燃えよドラゴン』 more 2020年08月05日 / 大津アレックスシネマ(滋賀県) 琵琶湖畔にある絶景をロビーから満喫できる映画館 2019年01月30日 / 御成座(秋田県) 街の人たちの勘違いから復活した秋田の映画館 2022年06月22日 / 小山シネマハーヴェスト(栃木県) 遊園地の跡地に出来た商業施設で映画を観た後は… more
名優たちが存在感が映画を支える
ベトナム戦争を考える時、そのはじまりはいつだったかを確定するのは悩ましい。
そもそもベトナム戦争は、独立戦争に便乗し、傀儡した外国による、代理戦争の意味が強く、そのことで複雑化し、戦いを長引かせたと言われている。アメリカは深く関わった代表的な国のひとつだが、その介入の大義も時期も曖昧になってしまっている。
南北分断で戦われた戦争は、1975年4月30日、南の首都サイゴンが事実上陥落したことを持って一応の集結をみた。
ベトナム戦争に関する映画は、その真っ只中であった60年代にドキュメンタリーとして発生するが、その多くは反戦の意図を持って描かれたものが多い。
アメリカ映画では1968年に公開された『グリーン・ベレー』があるが、これは戦時下にあったアメリカ政府の意向に沿った"プロパガンダ映画"と評価されている。
アメリカでベトナム戦争を題材にした劇映画が、一気に噴出するのは70年代後半になってからのことだった。
『ラスト・フル・メジャー 知られざる英雄の真実』は、ベトナム戦争に従軍した、実在のある兵士に関わる謎を追った映画である。
1999年、ペンタゴン空軍省のハフマン(セバスチャン・スタン)は、30年にわたり請願されているある兵士の名誉勲章授与の調査を始める。
1966年、ベトナム戦時下、空軍の落下傘部隊の兵士ピッツェンバーガー(ジェレミー・アーヴァイン)は、敵兵の奇襲を受け、孤立状態の陸軍中隊救出の任務に向かうが、負傷兵たちの救出中、銃弾に倒れてしまう。
終戦後、近親者たちによって申請された名誉勲章授与の申請は、何故か却下され続けていた。ハフマンも退役軍人たちの証言を集めるうち、彼の勇気ある行動に心を動かされるのだが…。
所謂、"後遺症もの"に分類される映画だが、生き残ったものたちの、癒えることなき心の痛みをあらためて痛感させられる社会派である。
語り手:覗き見猫
映画にはまって40数年。近頃、めっきり視力が衰えてきましたが、字幕を追う集中力はまだまだ大丈夫です。好きなジャンルは? 人間ドラマ…面白くない半端な回答…甘い青春映画も大好きです。
語り手:覗き見猫
映画にはまって40数年。近頃、めっきり視力が衰えてきましたが、字幕を追う集中力はまだまだ大丈夫です。好きなジャンルは? 人間ドラマ…面白くない半端な回答…甘い青春映画も大好きです。