岐阜新聞 映画部

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岩合マジックがネコ家族を輝かせる

2021年02月22日

劇場版 岩合光昭の世界ネコ歩き あるがままに、水と大地のネコ家族

©「劇場版 岩合光昭の世界ネコ歩き2」製作委員会 ©Mitsuaki Iwago

【ナレーション】中村倫也
【監督・撮影】岩合光昭

大自然に囲まれた水上と牧場に暮らすネコたち

 岩合光昭は動物写真家の父・岩合徳光の助手として、ガラパゴス諸島を訪れたことがきっかけとなり、父と同じ道を志すことになった。 1979年、「海からの手紙」で写真界の芥川賞と言われる"木村伊兵衛賞"を受賞している。これは、ペンギン、チョウサギ、ギンカモメといった海鳥を被写体の中心にした写真集である。

 その後、82年から84年にかけて、アフリカ・タンザニアのセレンゲティ国立公園に滞在し完成させた写真集「おきて」が、英語版15万部を超えるベストセラーとなり、世界的にもその名を知られるようになり、「ナショナルジオグラフィック」誌の表紙写真を2度飾っている。

 「おきて」は野生動物の生存のための厳しい闘いを見つめた写真集である。

 『劇場版 岩合光昭の世界ネコ歩き あるがままに 水と大地のネコ家族』は、近年の岩合のライフワークである"猫"を主役にしたドキュメンタリーである。もとは2012年から放送が始まり、猫好きには既にご覧になっているであろう人気TV番組、「岩合光昭の世界ネコ歩き」(NHK-BSプレミアム)の劇場版第2弾となる。

 最近では、スマホというお手軽持運び簡単撮影という手段が普及したため、視聴者が撮影投稿した動物のハプニング映像で、TVの番組が成り立つようになっている。しかし、写真家岩合の視点に貫かれた映像は、案外、地味な忍耐と根気によって生まれたものが多い。

 本作では、ミャンマーと北海道を舞台に、ネコたちの家族愛が描かれている。

 ミャンマーのインレー湖の湖上に立つ高床家屋で暮らすネコの家族の物語。猫はもとは砂漠のような乾燥地帯で暮らす動物だった。濡れること、水を嫌うのはその遺伝子によるのだが、ミャンマーのネコたちは水上に暮らしている。この逞しさ、いたいけな子ネコとそれを見守る母ネコの姿。都会で暮らしの対極にある北海道の牧場のネコ家族。絶対的な距離感と禁断の接近の融合撮影。岩合マジックは猫好きの心を鷲掴みにする…猫が苦手なあなたもひょっとしたら…。

語り手:覗き見猫

映画にはまって40数年。近頃、めっきり視力が衰えてきましたが、字幕を追う集中力はまだまだ大丈夫です。好きなジャンルは? 人間ドラマ…面白くない半端な回答…甘い青春映画も大好きです。

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語り手:覗き見猫

映画にはまって40数年。近頃、めっきり視力が衰えてきましたが、字幕を追う集中力はまだまだ大丈夫です。好きなジャンルは? 人間ドラマ…面白くない半端な回答…甘い青春映画も大好きです。

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