岐阜新聞 映画部

いま、どこかで出会える作品たち

Meet somewhere

猫ちゃんファミリーも人間の家族と同じだった。

2021年02月19日

劇場版 岩合光昭の世界ネコ歩き あるがままに、水と大地のネコ家族

©「劇場版 岩合光昭の世界ネコ歩き2」製作委員会 ©Mitsuaki Iwago

【ナレーション】中村倫也
【監督・撮影】岩合光昭

頑張れカーショ、負けるなシュエ、母さんが守ってあげる

 我が家では3匹の雌猫を飼っている。白黒でおっとりした長女シラス(4歳)、黒茶で臆病な二女サバ(3歳)、茶白でヤンチャな三女タラ(2歳)。この三姉妹、カアとババの膝には乗るが、オイラには頭を撫でさせてくれるのがやっと。

 猫好きの友人の勧めで、ちゅーる(まぐろ味)を買っておびき寄せてはいるが、彼女らの警戒心を解くまでには至ってないのが現状だ。

 とはいっても仕事で疲れて帰ってきた夕食の時、食卓の私の隣りの椅子に、丸まって狸寝入りしている猫ちゃんの姿を見ていると、癒されて疲れが吹っ飛ぶのも間違いない。

本作のキュートなポイントはいくつもある。まずは猫をファミリーとして捉えているところ。猫って一頭一頭単独で生活する動物で、そのツンデレぶりが魅力なのだが、親子や兄弟がまとまっている姿がまた可愛い。

北海道の牧場でウシと共に生活する母ネコのヒメと、母さんベッタリで中々独り立ち出来ない息子のカーショ。「イイよ、イイよ、いつでも帰っておいで」。親離れの出来ないネコの姿は人間同様なのだ。

ミャンマーのインレー湖上の高床式家屋で生活するネコちゃんたち。子ネコのシュエが足を滑らせて湖へ落ちてしまう。母ネコのメーワーが必死に手を差し伸べて助けようとするがあと一歩届かない。幸い一家の少年に救助されるが、奇跡の瞬間である。

 ネコ目線の撮影も素晴らしい。地面にスレスレからカメラで捉えていたり、グッと近づいて微妙な仕草を逃さなかったり。動物写真の巨匠・岩合光昭さんの粘りは、映画でも十二分に発揮されている。搾りたての牛のチチを一番最初にペロリと舐めるネコちゃんの可愛さったらない。

見ている私もほっこりにっこり。可愛らしさだけでなく、野生っぽいところも随所に見えてきて、そこがまたいい。「怒ると怖いんだぞ!トラの仲間なんだぞ!」ってみえてくる。

うちの猫ちゃんたち、ヨロシクネ。

語り手:ドラゴン美多

中学三年の時に見た「日本沈没」「燃えよドラゴン」のあまりの面白さから映画の虜になって四十数年、今も映画から夢と希望と勇気をもらっている、ファッションチェックに忙しい中年のおっさんです。

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語り手:ドラゴン美多

中学三年の時に見た「日本沈没」「燃えよドラゴン」のあまりの面白から映画の虜になって四十数年、今も映画から夢と希望と勇気をもらっている、ファッションチェックに忙しい中年のおっさんです。

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