岐阜新聞 映画部

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高齢者窃盗団の大胆不敵な犯行実話

2021年02月17日

キング・オブ・シーヴズ

© 2018 / STUDIOCANAL S.A.S. - All Rights reserved

【出演】マイケル・ケイン、ジム・ブロードベント、トム・コートネイ、チャーリー・コックス、ポール・ホワイトハウス、レイ・ウィンストン、マイケル・ガンボン
【監督】ジェームズ・マーシュ

犯罪そのものよりも人間関係の方が面白い

 犯罪を扱う映画では、その行為の善悪に関わらず、ふと気がつけば、犯罪者に肩入れし、感情移入しているものも少なくない。

 また、「事実は小説よりも…」のとおり、映画に出来うるほどの奇想天外なお話も存在する。

 『キング・オブ・シーヴズ』は、イギリス史上、最高齢で最高金額の金庫破りとして世間を騒がせた窃盗団の実話をもとにしている。

 ブライアン(マイケル・ケイン)は、その筋では"泥棒の王(キング・オブ・シーヴズ)と名を轟かせていたが、今はひっそりと隠遁生活を送っていた。そんな時、最愛の妻が逝ってしまう。悲嘆に暮れるブライアンのもとに、"仕事"に関する情報=お誘いが舞い込む。

 高齢者の犯罪もの映画と言えば、2019年に公開されたロバート・レッドフォード主演の『さらば愛しきアウトロー』(デヴィッド・ローリー監督』が記憶に新しい。これも実話をもとにしているが、強盗にあった銀行の目撃者は犯人を"紳士的"と形容する。誰ひとり傷つけることなく行われる大胆不敵な犯罪。

 仲間のバジル(チャーリー・コックス)が持ち込んだ仕事の話は、ロンドン随一の宝飾店街「ハットンガーデン」を標的にした大掛かりな窃盗計画だった。

 ブライアンはその誘い受け、かつての仲間が続々と集結する。チームには熟練のベテランが顔を揃えことになるが、そこには老いという不安材料が散らつく。それでも計画は順調(?)に進行し、ブライアンたちは宝石を手に入れることに成功するのだが…。

 2度のアカデミー助演男優賞受賞を誇るマイケル・ケインは軽妙洒脱に窃盗団のリーダーを好演している。ジム・ブロードベント、トム・コートネーイ、マイケル・ガンボンといった芸達者が並ぶ豪華なキャスティングだが、軽快な序盤に対して、それを超える展開が影を潜め、何となく想像の範囲内におさまってしまうのが少し残念だ。大胆不敵な犯罪の脆くも儚い破綻の結末に、物足りなさを感じるのは強欲か?

語り手:覗き見猫

映画にはまって40数年。近頃、めっきり視力が衰えてきましたが、字幕を追う集中力はまだまだ大丈夫です。好きなジャンルは? 人間ドラマ…面白くない半端な回答…甘い青春映画も大好きです。

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語り手:覗き見猫

映画にはまって40数年。近頃、めっきり視力が衰えてきましたが、字幕を追う集中力はまだまだ大丈夫です。好きなジャンルは? 人間ドラマ…面白くない半端な回答…甘い青春映画も大好きです。

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