イアヌッチ監督が、もの凄い変化球を投げてきた!ディケンズ再誕
2021年02月18日
どん底作家の人生に幸あれ!
©2019 Dickensian Pictures, LLC and Channel Four Television Corporation
【出演】デヴ・パテル、アナイリン・バーナード、デイジー・メイ・クーパー、ヒュー・ローリー、ピーター・カパルディ、ロザリンド・エリーザー、ティルダ・スウィントン、ベン・ウィショー、モーフィッド・クラーク、ベネディクト・ウォン
【監督・脚本・プロデューサー】アーマンド・イアヌッチ
バンドのユライア・ヒープ、マジックのカッパーフィールドの原点
本作の原作「デイヴィッド・コパフィールド」が刊行されたのは1850年。ディケンズの自伝的小説で、イギリスが最も輝いていたヴィクトリア時代の代表的大衆小説である。
日本でもそうだが、古典と言われる文学は、タイトルを知ってはいても読んだことがない人が多いように思う。私もそんな一人だが、私のような知ったかぶりな輩にとっては、映画は中々便利なものである。一癖も二癖もあるイアヌッチ監督がどう描こうとも、原作を知らなきゃ映画そのものを楽しめるし、原作を知ったふりもできる。一石二鳥だ。
主人公デイヴィッドを演じるのは、『スラムドッグ$ミリオネア』のデヴ・パテル。インド系イギリス人である。ヴィクトリア時代を描くには有り得ない配役であり、ここで違和感を持つ人は「ハイそれまでョ」。その後も黒人やアジア系が何の説明もなく配役されており、物語に入っていけない人もいるだろう。
しかし所詮イアヌッチ監督である。直球で来るはずもなく、もの凄い変化球を投げてきたとみるべきだ。
アカデミー賞は2024年から作品賞受賞の条件として4つのルールを設けた。そのうち2つを満たせばいいのだが、物議をかもしているのが「主要な役にアジア人や黒人の俳優の起用」というルールだ。
イアヌッチ監督は、自らをリベラルだと信じたい観客層に対し「これ、受け入れるよね」と試しているような気がしてならない。意地悪すぎて、私なんか答えが決められないのだ。
とにもかくにも映画を観ている間は「ハイ了解!」とばかり、イアヌッチ監督のシニカルコメディーに何度も笑った。セリフにもましてシチュエーションが馬鹿に可笑しいのだ。
映画に登場するちょっと変な脇役たちの面白さ。中でも、ユライア・ヒープ(=バンド名はここからとったのか!)を演じたベン・ウィショーは、敵役だが憎めない役どころを上手に演じている。
ハマる人にはたまらないコメディだ。
語り手:ドラゴン美多
中学三年の時に見た「日本沈没」「燃えよドラゴン」のあまりの面白さから映画の虜になって四十数年、今も映画から夢と希望と勇気をもらっている、ファッションチェックに忙しい中年のおっさんです。
語り手:ドラゴン美多
中学三年の時に見た「日本沈没」「燃えよドラゴン」のあまりの面白から映画の虜になって四十数年、今も映画から夢と希望と勇気をもらっている、ファッションチェックに忙しい中年のおっさんです。