岐阜新聞映画部映画館で見つけた作品ノッティングヒルの洋菓子店 B! 夢の実現に挑んだ愛の詰まった奮闘記 2021年01月22日 ノッティングヒルの洋菓子店 © FEMME FILMS 2019 【出演】セリア・イムリー、シャノン・ターベット、シェリー・コン、ルパート・ぺンリー=ジョーンズ 【監督】エリザ・シュローダー 登場する"日本スイーツ"にご注目あれ! ロンドン、朝。目覚めた街は活気に息づきはじめる。滑走するロードバイクを漕ぐ女性。軽やかな走行の先にあるのは悲劇だった。 ノッティングヒルはロンドン西部にある高級住宅地で、生鮮食材を扱う店からアンティーク骨董店まで、様々な店が軒を連ねている。なかでも、ここで石を投げれば、洋菓子店に当たるといわれるほどの名店が密集する激戦地でもある。 パティシエのサラとその親友イザベラ(シェリー・コン)は、その一角、ゴールボーン・ロードに洋菓子店を持つという夢を実現しようとしていた。 その矢先、サラは交通事故死してしまう。冒頭に映し出された女性がサラで、物語は彼女の周辺の残された人々の再出発を描いている。 パティシエ不在の店に銀行は貸付けを渋る。貸店舗は内装工事なしでは開店はおぼつかない。遺されたのは、それまでの準備に要した経費の請求書の山だった。イザベラは夢の断念を決意する。 そんなイザベラの消えかけた気持ちを再燃させるのは、サラのひとり娘クラリッサ(シャノン・ターベット)だった。彼女は将来に漠然とした不安を抱えていたが、母の夢を実現させるため、サラと絶縁していた祖母のミミ(セリア・イムリー)を巻き込み、店を開業へと誘うのだった。 監督のエリザ・シュローダーはドイツ人だが、映画の舞台ノッティングヒルに11年暮らしたていた。また、カップケーキ職人の短編ドキュメンタリーを手がけるなど、お菓子作りをいちばんの趣味としているという。その経験とセンスは長編デビュー作となる本編に良く活かされている。 不在だったパティシエ問題は、求人に応募してきた2つ星レストランのシェフであるマチュー(ルパート・ペンリー=ジョーンズ)の登場によって解消するが、彼には20年前、恋仲であったサラから逃げたという、訳ありの過去があった。 映画は大切な人を失った人達が、迷いを捨て前進する清々しい姿に勇気と元気を貰える佳作に仕上がっている。登場する美味しそうなお菓子たち…カロリーが気になる方は誘惑にご注意あそばせ! 語り手:覗き見猫映画にはまって40数年。近頃、めっきり視力が衰えてきましたが、字幕を追う集中力はまだまだ大丈夫です。好きなジャンルは? 人間ドラマ…面白くない半端な回答…甘い青春映画も大好きです。 100% 観たい! (10)検討する (0) 語り手:覗き見猫映画にはまって40数年。近頃、めっきり視力が衰えてきましたが、字幕を追う集中力はまだまだ大丈夫です。好きなジャンルは? 人間ドラマ…面白くない半端な回答…甘い青春映画も大好きです。 2023年02月02日 / 恋のいばら 炸裂する城定節と女優2人の可愛さに惚れた 2023年01月31日 / レジェンド&バタフライ 東映の活動屋魂が詰まった、時代劇の決定版 2023年01月31日 / レジェンド&バタフライ 新たな伝説として甦る信長と濃姫の物語 more 2021年10月13日 / 【思い出の映画館】千日前セントラル(大阪府) 戦後の活気ある商店街でアメリカ映画を送り続けた。 2022年07月13日 / 吉祥寺オデヲン(東京都) いつも住みたい街に選ばれる吉祥寺駅前にある街のシンボル 2019年07月03日 / 有楽町スバル座(東京都) 日本初のロードショウ劇場として名作を送り続けてきた more
登場する"日本スイーツ"にご注目あれ!
ロンドン、朝。目覚めた街は活気に息づきはじめる。滑走するロードバイクを漕ぐ女性。軽やかな走行の先にあるのは悲劇だった。
ノッティングヒルはロンドン西部にある高級住宅地で、生鮮食材を扱う店からアンティーク骨董店まで、様々な店が軒を連ねている。なかでも、ここで石を投げれば、洋菓子店に当たるといわれるほどの名店が密集する激戦地でもある。
パティシエのサラとその親友イザベラ(シェリー・コン)は、その一角、ゴールボーン・ロードに洋菓子店を持つという夢を実現しようとしていた。
その矢先、サラは交通事故死してしまう。冒頭に映し出された女性がサラで、物語は彼女の周辺の残された人々の再出発を描いている。
パティシエ不在の店に銀行は貸付けを渋る。貸店舗は内装工事なしでは開店はおぼつかない。遺されたのは、それまでの準備に要した経費の請求書の山だった。イザベラは夢の断念を決意する。
そんなイザベラの消えかけた気持ちを再燃させるのは、サラのひとり娘クラリッサ(シャノン・ターベット)だった。彼女は将来に漠然とした不安を抱えていたが、母の夢を実現させるため、サラと絶縁していた祖母のミミ(セリア・イムリー)を巻き込み、店を開業へと誘うのだった。
監督のエリザ・シュローダーはドイツ人だが、映画の舞台ノッティングヒルに11年暮らしたていた。また、カップケーキ職人の短編ドキュメンタリーを手がけるなど、お菓子作りをいちばんの趣味としているという。その経験とセンスは長編デビュー作となる本編に良く活かされている。
不在だったパティシエ問題は、求人に応募してきた2つ星レストランのシェフであるマチュー(ルパート・ペンリー=ジョーンズ)の登場によって解消するが、彼には20年前、恋仲であったサラから逃げたという、訳ありの過去があった。
映画は大切な人を失った人達が、迷いを捨て前進する清々しい姿に勇気と元気を貰える佳作に仕上がっている。登場する美味しそうなお菓子たち…カロリーが気になる方は誘惑にご注意あそばせ!
語り手:覗き見猫
映画にはまって40数年。近頃、めっきり視力が衰えてきましたが、字幕を追う集中力はまだまだ大丈夫です。好きなジャンルは? 人間ドラマ…面白くない半端な回答…甘い青春映画も大好きです。
語り手:覗き見猫
映画にはまって40数年。近頃、めっきり視力が衰えてきましたが、字幕を追う集中力はまだまだ大丈夫です。好きなジャンルは? 人間ドラマ…面白くない半端な回答…甘い青春映画も大好きです。