岐阜新聞 映画部

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ドイツのイケメンが、裸一貫から本当に必要なモノを見つけていく

2021年01月21日

100日間のシンプルライフ

© 2018 Pantaleon Films GmbH / Erfttal Film & Fernsehproduktion GmbH & Co. KG / WS Filmproduktion / Warner Bros. Entertainment GmbH

【出演】フロリアン・ダーヴィト・フィッツ、マティアス・シュヴァイクホファー、ミリアム・シュタイン
【監督・脚本】フロリアン・ダーヴィト・フィッツ

スタートは全裸から。体育会系ギャグには苦笑するほかない

 数年前「フランス人は10着しか服を持たない」という本がベストセラーになった。“上質なものを少しだけ持ち、大切に使う”というコンセプトだ。またアップルの創業者スティーブ・ジョブズが毎日同じ服を着ていたのは有名は話。不要な持ち物を減らして自分に必要な最小限のものだけで暮らす人のことを「ミニマリスト」という。

 私なんかは50代半ばを過ぎてから突如ファッションに目覚め、古着屋でお気に入りの洋服を数多く購入する「マキシマリスト」になってしまった正反対の人間。この映画とは不幸な出会いである。

 本作の主演は2人。女性に一途な天才エンジニア、でも大雑把でだらしないスマホ依存症のパウル(フロリアン・ダーヴィト・フィッツ)と、完璧主義な凄腕経営者、でも本当はコンプレックスの塊のトニー(マティアス・シュヴァイクホファー)。映画は、まるで正反対で幼なじみのビジネスパートナーが、まさに裸一貫から本当に必要なものだけを見つけていくというシンプルストーリーだ。

 ゲームのスタートは全裸から。ベルリンの街を股間を手で隠しながら走っていく。「裸だから可笑しいだろ」という体育会系ギャグには苦笑するほかない。その後の展開も「男がバカやってる」の連続で、このノリにはついていけない私がいる。

 こういう単純な男どもの争いは、必ず美女をめぐる争奪戦だ。貸倉庫に夜な夜な現れる謎の女ルーシー(ミリアム・シュタイン)を巡って、お定まりの如く一旦は完全に仲違いする。

 で誤解もわだかまりも、妬みも嫉妬もぜ~んぶとれて、目出度し目出度しとあいなる。

 この映画の邦題と同様、内容もシンプルというか薄口。「世界はほしいモノにあふれているが、実はモノに埋もれて生活しているだけ」という主張はわからないでもないが、無理な設定とルールのこじつけは、テレビ番組のキワモノの拡大版にしか見えなかった。

 ただイケメンの裸は堪能できる。

語り手:ドラゴン美多

中学三年の時に見た「日本沈没」「燃えよドラゴン」のあまりの面白さから映画の虜になって四十数年、今も映画から夢と希望と勇気をもらっている、ファッションチェックに忙しい中年のおっさんです。

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語り手:ドラゴン美多

中学三年の時に見た「日本沈没」「燃えよドラゴン」のあまりの面白から映画の虜になって四十数年、今も映画から夢と希望と勇気をもらっている、ファッションチェックに忙しい中年のおっさんです。

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