岐阜新聞 映画部

いま、どこかで出会える作品たち

Meet somewhere

すばらしき仲間の素晴らしき青春!実に見事なモキュメンタリー映画だ

2020年12月09日

PLAY 25年分のラストシーン

©2018 CHAPTER 2 - MOONSHAKER II - MARS FILMS - FRANCE 2 CINEMA - CHEZ WAM - LES PRODUCTIONS DU CHAMP POIRIER/ PHOTOS THIBALUT GRABHERR

【出演】マックス・ブーブリル、アリス・イザーズ、マリック・ジディ、アルチュール・ペリエ、ノエミ・ルヴォウスキー、アラン・シャバ
【監督】アントニー・マルシアーノ

俺たちは、共に過ごした青春を決して後悔なんかしない

 最初に断っておきたいが、この映画を観た直後の衝撃を伝えるためには、ネタバレに触れずにいられない。

   私の映画を観る選択基準は、監督・仲間の評判・信頼する映画評論家のお勧めなどだが、観ると決めたらなるべく事前情報をいれないようにする。本作もいつもと同じ状態で観たのだが、完全に騙された!実に見事なモキュメンタリーである。

 この映画の監督を務めるアントニー・マルシアーノ、主役のマックス・ブーブビルは、共に1979年生まれ。2人の成長と共に映画は進行する。

 最初のシークエンスは1993年。主人公マックス(13歳)の8ミリビデオによる主観映像で始まる。写されのは、幼馴染のエマ、マチアス、アルノー。全体に甘い輪郭の家庭用ホームビデオは、手持ちカメラによるブレを伴う映像で、思春期に突入した中二病的青臭さを滲み出している。

 1998年のサッカーワールドカップにおけるフランスの優勝(マックス18歳)。ミレニアム(マックス20歳)でのバカ騒ぎ。撮影機材は、アナログテープからデジカムなどのデジタルムービーに移ってきている。マックスたち4人は、いつもつるんでパーティばかり。社会に出ていく直前の、道に迷って胸にとげさすことばかりだったけど楽しかった、束の間の時代を謳歌している。甘酸っぱいあの頃を醸し出しているのだ。

 そして2018年のマックス(38歳)。POV方式(主観撮影)は相変わらずだが、デジタル機材はiPhoneなどのスマホになってきている。手軽に撮影出来るうえ画像も鮮明。撮影ショットもこなれてきており、プロそのものだ。

 なんだかんだあっても、幼馴染の4人は離れられない。素敵な友人関係が25年間続いている。すばらしき仲間たちだ。

 さあ私がどこに騙されたのか?『スティング』や『シベリア超特急』なみの、どんでん返しがあるのか?

 アイデアが素晴らしい映画、青春を懐かしめる映画である。

語り手:ドラゴン美多

中学三年の時に見た「日本沈没」「燃えよドラゴン」のあまりの面白さから映画の虜になって四十数年、今も映画から夢と希望と勇気をもらっている、ファッションチェックに忙しい中年のおっさんです。

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語り手:ドラゴン美多

中学三年の時に見た「日本沈没」「燃えよドラゴン」のあまりの面白から映画の虜になって四十数年、今も映画から夢と希望と勇気をもらっている、ファッションチェックに忙しい中年のおっさんです。

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