岐阜新聞 映画部

いま、どこかで出会える作品たち

Meet somewhere

映画の面白さを増幅させてくれる画期的なドキュメンタリー

2020年11月22日

ようこそ映画音響の世界へ

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【出演】ウォルター・マーチ、ベン・バート、ゲイリー・ライトストローム、ジョージ・ルーカス、スティーヴン・スピルバーグ、デヴィッド・リンチ、アン・リー、ライアン・クーグラー、ソフィア・コッポラ、アルフォンソ・キュアロン、クリストファー・ノーラン、バーブラ・ストライサンド
【監督】ミッジ・コスティン

「声」「効果音」「音楽」に分けて、実際の映画を題材にピンポイントで説明してくれる

 私が高1の正月、空前の話題となっていたのがセンサラウンド方式という大音響システムの『大地震』(1974年)だ。名鉄東宝の座席は、専用スピーカーからの低周波音波で身体はビリビリし、地上を走行する電車からの振動も加わって本当に揺れているような圧倒的な臨場感だった。

 本作は、映画の音楽や音響に焦点を当て、トーキー第一作『ジャズ・シンガー』(1927年)からの歴史を分かりやすくスピーディに紐解いていく。証言はルーカスやスピルバーグ等のトップ監督に加え、アカデミー賞に輝く一線級の音響技術者たちが登場し、映画音響の秘密や独創的な方法の裏側が語られる。彼らの話は余分なところが一切なく、映画の面白さを増幅させてくれる画期的なドキュメンタリーとなっている。

 映画はパートを、「声(ライブ録音・ダイアログ編集・アフレコ)」、「効果音(特殊効果音・フォーリー・環境音)」、「音楽」、に分け、実際の映画を題材にピンポイントで説明してくれる。技術的な話がストンと腹に落ちる素晴らしい構成だ。

 逆再生したトラの声と半分の速度に変換したライオンの声を重ね合わせた『キング・コング』(1933年)の吠え声は、音響職人の驚くべき発想によってこの映画の迫力の大きな部分を占めていることが分かる。

 リアルタイムで観た『スター・ウォーズ』(1977年)。ジョン・ウィリアムズの壮大で勇壮なテーマ音楽(アカデミー作曲賞)は今でも大好きだが、ベン・バート(アカデミー特別業績賞)によるエイリアンやロボット達の声の斬新さは革命的であった。

 そして、エポックメイキングであった『地獄の黙示録』(1979年)。ウォルター・マーチ他(アカデミー音響賞)による立体音響は、ヘリコプターの爆音やスピーカーから流されるボリューム最大限の《ワルキューレの騎行》など、凄い映画体験だった。

 本作は、映画館で観なきゃもったいない映画である。

語り手:ドラゴン美多

中学三年の時に見た「日本沈没」「燃えよドラゴン」のあまりの面白さから映画の虜になって四十数年、今も映画から夢と希望と勇気をもらっている、ファッションチェックに忙しい中年のおっさんです。

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語り手:ドラゴン美多

中学三年の時に見た「日本沈没」「燃えよドラゴン」のあまりの面白から映画の虜になって四十数年、今も映画から夢と希望と勇気をもらっている、ファッションチェックに忙しい中年のおっさんです。

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